去る8月5日(水)、セイコーエプソン株式会社主催オンラインイベント、
シリーズ 第3回(合計3回・最終回)、家から街へつながるスマート化編をWeWorkご協力のもとオンラインで開催いたしました!
新型コロナウイルスの影響により、外出自粛を余儀なくされる中、「家」を中心とした生活スタイルが主流になりつつあります。
一方で、IoT化の進展により、ライフスタイルがインターネットとつながることで、家自体の在り方、関連する街の在り方も大きく変化しつつあります。
本イベントでは、「家・街のスマート化」を中心に、米国の住宅業界に革命を起こすべく活動を行っている HOMMA, IncのCEO 本間 毅さんをゲストにお招きして、家やそれを取り囲むコミュニティのあり方や直面している課題と解決方法についてパネルディスカッションを実施しました。
第三回となる今回は、約70名の方々がオンライン上に集まり、イベントは大いに盛り上がりました!
イベントプログラムと当日の様子
18:00-18:10 オープニング
セイコーエプソン株式会社 執行役員吉田 潤吉様より、長野県にあるセイコーエプソン広丘事業所より大判プリンターを背景に登壇。オンラインならではの演出で、セイコーエプソンのオープンイノベーションの取り組みや会津若松市のICTオフィス「AiCT」内に拠点を開設、住宅関連スタートアップ企業Homma, Incとのパートナーシップについてご紹介がなされ、イベントがスタートとなりました。
18:10-18:20 Input講義(家や街をめぐる課題について)
株式会社日本総合研究所 シニアマネージャー 大森 充様より、パネルディスカッションの前段として、新型コロナウイルスの感染拡大で顕在化した「家」の課題を解説いただくとともに、特に以下3つが顕著であるというお話をいただきました。
- IT環境の未整備
- 作業スペースの不在
- 心身の健康状態の悪化
一方で、「家」のあり方も変化がみられ、「休む」場所から、「働く」「学ぶ」「遊ぶ」場へと拡張されつつある中で、“未来の生活・暮らし”を考える必要があるという目線を提示いただきました
18:20-19:10 パネルディスカッション・Q&A
「家」という媒体に“Nice to Have”(あればいいな)ではなく、”Essential”(生活に必要不可欠)な価値を付与するというビジョンのもと、アメリカ西海岸でスマートホーム・スマートシティの事業を展開されているHOMMA, Inc CEO 本間 毅様をゲストに、セイコーエプソン株式会社 吉田 潤吉様を加え、パネルディスカッションが行われました。
1) コロナ禍により再認識した「ホーム」の課題は?
吉田様:住環境の変革に関して、「そのうち起こるのではないか」という認識だったものが、コロナによって一気に来た印象がある。実際に国内外のEpson社員からも自宅に十分な仕事の環境がないなどのさまざまな苦労が寄せられており、この課題の解決が必要と考えている。一方で、一連の環境の変化が良い影響を及ぼしている部分もあるので、アフターコロナに対する準備が必要である。
本間様:この課題は日米によっても少し異なっている。アメリカでは必要最小限の生活が余儀なくされる中で、家でできる趣味や環境整備を通じてStayhomeをより豊かにしようと、IKEAやホームセンターに人が集まっている。これは、住民にとって家がただ帰って寝るためのシェルターから様々な活動をする場へと価値が変容している証左ではないかと考えている。これは様々な意味でチャンスなのだが、大変なことになったなと感じている。
2) 「ホーム」に加え、「コミュニティ」「シティ」の未来の姿とは?
大森様:コロナの影響に加えて、今後大きな課題となりうる「社会の高齢化」によって、「コミュニティ」「シティ」も大きく変容することが考えられる。これらの文脈では、未来の生活はどうあるべきだと考えているか。
本間様:コロナが日常生活に関するこれまでの常識を考えるきっかけになっており、そこにヒントがあるのではないか。例えば、これまでは人がみな都市部に集中することが当たり前だったが、コロナの影響で郊外に住みたい環境を探す人が増えてきている。このような目線に立ってみると、同じ価値観をもつ人が都市圏ではないところに集まってコミュニティが創造されることが考えられる。そしてそのようなコミュニティの構築に会社としても取り組みたいと考えている。そのような環境を構築するために、これまでよりさらにUXにまで踏み込んだ環境を設計すれば新しい世界が見えてくるのではないか。
吉田様:パーソナル空間を広く取りつつ、それらがつながっている状況が、DXが実現した世界、およびアフターコロナの世界ではEssentialになるのではないか。Epsonの事業所の約7割が長野県、そして県内の各地に分散している。地理的な利便性だけを考えるとひとつの場所に集中しやすくなるが、将来のコネクテッドな世界においてはある意味理想像ともいえ、こういった形が今後必要となるのではないかと考えている。
本間様:地域単位の例でいうと、自社の実証を行っているアメリカのポートランドもその例として挙げられる。ポートランドはいわゆるMillennial世代が多く、都市環境に対する意識が高い。そのような住民に受容してもらうためには、家を作る段階からスマートなUXを考える必要がある。つまり、「市民が主人公」になるような「コミュニティ」「シティ」が今後の主流になるのでは。
吉田様:国内の事例をさらに一つ挙げるならば、福島県会津若松市は市民の本意で変革を進め、自治体や企業がそのサポートをしている例となっている。市内の会津大学では産学連携や起業家のコミュニティ構築が盛んで、Epsonも今年パートナーシップを締結した。一方で、元々の住民や世代間でも格差が生まれる恐れもあるので、その課題をデジタルが解決する未来図を描いている。
3) 社会課題を解決し、未来の姿を実現するためにすべきことは?
本間様:住宅の文脈では、「健康に暮らす」ことに対して今後大きなフォーカスが当たると考えており、会社を通じてソリューションを提供したいと考えている。現在は音声認識やIoTの機能がデバイスごとにバラバラになっているが、家を1つのデバイスとして機能をコンポーネントすることも一つのソリューションとなる。人間がテクノロジーに対してコミットするのではなく、理想の生活の裏側でテクノロジーが下支えするようなビジョンをもっている。
吉田様:シェアリングエコノミーや循環型社会のような未来に寄り添ったソリューションを提供したいと考えている。例えば大型で高機能なプリンターをひとつの共同体でシェアしながら使うことや、使用済みの紙から新しい紙を生産することでサステイナビリティに寄与するPaperLabなど、実現したいビジョンを基にした事業に今後注力したいと考えている。
現状の課題を分析しつつ、withコロナの状況から見えてきた新しい世界について、具体的な施策も交えながら活発な議論が展開されました。
また参加者からの質問についても時間のギリギリまで御三方を中心に議論が繰り広げられました!
19:10-19:20 エンディング
セイコーエプソン株式会社 DX戦略推進部 小原 秋寿様より、ディスカッション中に取り上げられた「離れていても繋がれる」「家は活動のフィールド」というキーワードを最後にリマインド・課題解決に向けてWeWorkにて取り組んでいきたいというメッセージをご参加いただいた皆様にお届けし、イベントが終了いたしました。
参加された方々からは、
心身の健康とウィズコロナへの対応策はどうお考えか?
エプソンが拠点を構える信州はわが国では珍しい恵まれた環境だが、そうではない既成市街地の一般的家屋で、何か妙案はございますか?
など、の質問に対して人間の生活のリズムにおいて睡眠の質を上げたりフィットネスをしたりなどの提案が本間様より、繋がれない・話せないという状況において、IoTデバイスを使ってフィジカルの世界と組み合わせ改善していきたいというお考えを吉田様よりいただき、大変好評なイベントとなりました。
セイコーエプソン株式会社では、様々な分野の社会課題解決に向けたオープンイノベーションの取り組みを今後も推進していくそうです!
セイコーエプソン株式会社の取り組みに共感し、一緒にイノベーションを起こしたい方のご協力をぜひお待ちしています!
ご興味のある方は以下よりご確認ください。
Epsonでは、「社会課題×新たな事業創出」について、今後も様々な媒体や機会を通じて外部へと発信していきます!直近では、よりテクノロジーに根差した形でどのような社会課題を解決し、新たな事業を創り上げていくのか、参加者の方々とともに考える場を企画しております。
また、2019年11月に実施されましたセイコーエプソン株式会社主催のハッカソンの様子については以下よりご覧いただけます!
エプソン主催ハッカソン「Epson Hack Trek」開催!!
【Epson Hack Trek】栄えある入賞3チームを直撃インタビュー!
いかがでしたでしょうか。
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