2020年7月7日、日仏ビジネス界の相互理解の深化と経済関係の発展における貢献を目指す非営利組織・日仏経済交流委員会(CEFJ)の会員限定ウェビナー・Members Monthly Meeting 第三回にRouteX Inc.からCOO 塚尾が参加し、イベントレポートを執筆・寄稿しました。以下同内容にて紹介します。
5月にCEFJ、およびChoose Paris Regionとの共催にて実施しましたオンラインイベントのレポートはこちらからご覧いただけます。
【第一回:6月9日開催】
【第二回:7月3日開催】
【第三回:7月7日開催】
去る2020年7月7日日仏経済交流委員会(CEFJ)は、フランスのスタートアップ・エコシステムの近年の躍進を支える政府公認のブランド・La French Techより、Kat Borlongan氏をゲストに迎えたウェビナー
“French Tech post-Covid – what’s in it for Japan?”
を実施しました。本ウェビナーには、日仏Members企業を中心に多くの参加者が集まりました。
1. 日仏経済交流委員会(CEFJ) / Startups Creativity Challenge(SCC)の紹介
2. La French Techの紹介
3. イベントレポート
4. 次回以降のイベント予定
1. 日仏経済交流委員会(CEFJ) / Startups Creativity Challenge(SCC)の紹介
日仏経済交流委員会(CEFJ)は、1997年の設立以降グローバル環境を背景にした日仏ビジネス界の相互理解の深化と経済関係の発展における貢献を目指し、パリとイルドフランス地方を中心にフランス全土、欧州、日本各地アジアの一部にまで広がる巨大なネットワークを持つ仏経済機関です。
20年以上にわたり、様々なプログラムや情報の提供を通じて日本・フランス両国の企業におけるビジネス交流の発展に関わり、現在では両国合わせて157の会員企業が参加しています。
近年のフランスのスタートアップエコシステムの盛り上がりを受けて、CEFJでは日仏のスタートアップを一同に介し、CEFJ会員のメンバーとともに新しいイノベーションを生み出すプログラム、
“Startups Creativity Challenge(SCC)”
を2019年から2022年初頭まで全3回実施し、両国のさらなる関係性の強化を目指しています。
2019年10月に開催された第一回には、CEFJ 会長 Didier Kling氏と会長代行 Pierre Kuchly氏が、共同議長 出井 伸之氏(元ソニー CEO、現クオンタムリープ Founder・会長)、Anne Lauvergeon氏(元AREVA CEO、現ALP CEO)をお迎えし、日本・フランス両国から128名が参加のもと、4社の大企業と9社のスタートアップが一同に介しました。フランス最大のインキュベーション施設・Station Fにて開催された本イベントは、両国の交流を通じて新しいイノベーションをどのように生み出していくのかについて活発な議論が交わされ、大きな盛り上がりを見せました。
2020年12月にパリにて予定されている第二回は、第一回からさらに両者の連携についてより実践にもとづき具体化した形での実施が計画されています。今後SCCをきっかけに大企業とスタートアップの連携がさらに加速し、革新的なイノベーションを生み出すことが期待されます。
2. La French Techの紹介
La French Techは、
“To make France one of the greatest places in the world to launch and grow global companies that make sense for our future.”
「私たちの未来に寄与するグローバル企業を立ち上げ成長させる上で、フランスを世界で最も偉大な場所にする」
をミッションとし、2013年から始まったプロジェクトです。
French Tech Missionと呼ばれるフランス政府内のメンバーで構成されるチームを中心に、パリ最大のスタートアップ支援施設Station Fに居を置くLa French Techは、各政策を通じて資金調達やマーケティング、各種プログラムのサポートをスタートアップに対して実施するだけではなく、投資家やポリシーメーカー、コミュニティ構築者を一同に介した同国最大のスタートアップ・エコシステムとなっています。 また、2015年から世界各都市にオフィスを設置し、フランス・スタートアップの世界的なブランディングに大きく寄与しています。
3. イベントレポート
2020年7月7日 パリ現地時間の10:00より開始した本イベントには、日仏のCEFJ会員企業、両国のイノベーションに関心を持つ企業・パートナー機関がオンライン上に集いました。
今回La French Techより、
Director of La French Tech Mission
Kat Borlongan氏
にご登壇いただき、Covid-19の流行に対する取り組みと、コロナ後を見据えたビジョン、そしてその中で日本とどう関わっていくかについて、
“French Tech post-Covid – what’s in it for Japan?”
というタイトルにてお話をいただきました。
La French Techは、世界へ羽ばたく“Tech Leader”を輩出する有機的なエコシステム構築を通じて、世界をよりよくすることを目指している、と冒頭にお話がありました。
フランスのエコシステムが急速な成長を続けている中でCovid-19の世界的な蔓延が起きましたが、この最中においても以下3つのポイントを通じてエコシステムの成長を持続させているようです。
- Funding:政府を通じて総額$1.2billionのスタートアップ支援金を供給
- Diversity:海外出身の起業家や女性起業家を引き続き支援
- Tech:AI、Cyber、Industry4.0など、先進的な技術とスタートアップを結びつけ、さらなる社会実装を促進
そして2021年1月より、フランス発の“Tech Champion”を生み出すべく、アーリーステージのスタートアップを対象にフランス国外への進出を促進するプログラムも新たに開始するようです。 その中で、日本の市場も視野に入れているというお話がありました。スタートアップのポテンシャルを解放するために、アメリカや中国にはない関係性を日本と構築していきたいと話しました。
世界各都市にコミュニティを拡大し、フランス・スタートアップの世界的なブランディングを積極的におこなっているLa French Techとは、これまでも様々な日仏間のエコシステムの交流がおこなわれてきました。
2019年のSCCでは、Borlongan氏と、JETRO Parisの所長を務める片岡 進氏によるセッション、
“L’écosystème Japonais et opportunités de coopération franco-japonaise dans l’innovation”
「日本のエコシステムと日仏協⼒によるイノベーションへの好機」
が実施され、大きな盛り上がりをみせました。
この際Jetro Paris片岡様より、
Jetroや経済産業省が中心となって始動したスタートアップ企業の育成支援プログラムJ-Startupは、La French Techをモチーフとしている
というお話がありました。このように、日本とフランスのスタートアップ・エコシステムは密接な関係があり、今後もより活発な交流を続けていくことが宣言されました。
Q&Aセッションでは、オンラインツールのチャットボックスに集まった質問を元に様々な議論が展開されました。世界的にも大きなイニシアチブをもっているLa French Techの取り組みを直接質問することができる貴重な機会に、たくさんの質問があつまりました。
4. 次回以降のイベント予定
CEFJでは、2020年12月のSCCに向けて様々なウェビナーやオンラインコンテンツの配信を予定しています。
2020年9月からは、2週間に1度のウェビナーを企画しています。日仏から寄せられたトピックに関する有識者をお呼びし、両国のさらなる共創を加速させてまいります。
皆様奮ってご参加ください。
いかがでしたでしょうか。
日仏交流委員会(CEFJ)実施のウェビナーは会員限定のイベントとなります。CEFJの取り組みに興味のある方はお気軽に弊社までお問い合わせください。
RouteX Inc.では、フランスを中心にヨーロッパのスタートアップエコシステムに関する調査を引き続き進めてまいります。記事として現地の様子を発信しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
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また、RouteXでは引き続きスタートアップ・エコシステムにおける「情報の非対称性」を無くすため、世界中のスタートアップとの連携を進めてまいります。
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