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2020年6月9日、日仏ビジネス界の相互理解の深化と経済関係の発展における貢献を目指す非営利組織・日仏経済交流委員会(CEFJ)の会員限定ウェビナー・Members Monthly MeetingにRouteX Inc.からCOO 塚尾が参加し、イベントレポートを執筆・寄稿しました。以下同内容にて紹介します。

5月にCEFJ、およびChoose Paris Regionとの共催にて実施しましたオンラインイベントのレポートはこちらからご覧いただけます。


去る2020年6月9日、日仏経済交流委員会(CEFJ)の会員限定ウェビナー・Members Monthly Meetingが開催され、日本・フランス両国の会員企業から50名以上の方が集まる活気に満ちたイベントとなりました。

今回CEFJ会員として、フランス発の自動運転技術を開発するスタートアップ Prophesee 共同創業者・CEO Luca Verre氏(World Economic Forum Pioneer Technology)が招待され、

“The future of AI is neuromorphic: How Prophesee is tackling the next challenges of AI leveraging the Japanese ecosystem”

というタイトルにて、様々な要素を組み合わせた自社独自の先端技術や日本におけるバリューチェーン構築など、様々なトピックに関してお話をいただきました。

1. 日仏経済交流委員会(CEFJ) / Startups Creativity Challenge(SCC)の紹介

2. Members Meetingゲスト紹介:Prophesee

3. イベントレポート

4. 次回以降のイベント予定


1. 日仏経済交流委員会(CEFJ) / Startups Creativity Challenge(SCC)の紹介

日仏経済交流委員会(CEFJ)は、1997年の設立以降グローバル環境を背景にした日仏ビジネス界の相互理解の深化と経済関係の発展における貢献を目指し、パリとイルドフランス地方を中心にフランス全土、欧州、日本各地アジアの一部にまで広がる巨大なネットワークを持つ仏経済機関です。

20年以上にわたり、様々なプログラムや情報の提供を通じて日本・フランス両国の企業におけるビジネス交流の発展に関わり、現在では両国合わせて157の会員企業が参加しています。

(Image Credit: CEFJ)

近年のフランスのスタートアップエコシステムの盛り上がりを受けて、CEFJでは日仏のスタートアップを一同に介し、CEFJ会員のメンバーとともに新しいイノベーションを生み出すプログラム、

“Startups Creativity Challenge(SCC)”

を2019年から2022年初頭まで全3回実施し、両国のさらなる関係性の強化を目指しています。

(Image Credit: CEFJ)

2019年10月に開催された第一回には、CEFJ 会長 Didier Kling氏と会長代行 Pierre Kuchly氏が、共同議長 出井 伸之氏(元ソニー CEO、現クオンタムリープ Founder・会長)、Anne Lauvergeon氏(元AREVA CEO、現ALP CEO)をお迎えし、日本・フランス両国から128名が参加のもと、4社の大企業と9社のスタートアップが一同に介しました。フランス最大のインキュベーション施設・Station Fにて開催された本イベントは、両国の交流を通じて新しいイノベーションをどのように生み出していくのかについて活発な議論が交わされ、大きな盛り上がりを見せました。

2020年12月にパリにて予定されている第二回は、第一回からさらに両者の連携についてより実践にもとづき具体化した形での実施が計画されています。今後SCCをきっかけに大企業とスタートアップの連携がさらに加速し、革新的なイノベーションを生み出すことが期待されます。


2. Members Meetingゲスト紹介:Prophesee

今回のCEFJ Members MeetingのゲストであるLuca Verre氏がCEOを務めるPropheseeは、人間の視神経の仕組に基づいて設計されたセンシングデバイスを開発するスタートアップです。特許化された最先端の可視化技術とAIのアルゴリズムという2つのコア技術を駆使して作製されたデバイスは、自動運転車や医療機器、IoT、AR/VRといった様々な用途への応用が期待され、既に実用化が進んでいます。

これまでにPropheseeは、IT・製造に関わる多国籍企業と協業し、自社のコア技術をデバイスへと昇華し、量産・実用化につなげた実績があります。特に日本では製造業における大企業と協業することで量産化を達成しており、さらなる販路拡大を目指しています。

フランス・パリにて、Verre氏を中心として2014年に創立したPropheseeは、現在サンフランシスコ・東京・上海の海外拠点をもち、100名以上のエンジニア・研究者と共に事業を世界中に拡大しています。

(Image Credit: CEFJ)

また、2019年のSCCにおいてもVerre氏は登壇し、

「機械で見えないものを可視化するバイオをヒントにした視覚の新カテゴリー」

というタイトルにて講演しています。


3. イベントレポート

2020年6月9日 パリ現地時間の10:30より開始した本イベントには、日本・フランス両国のCEFJ会員企業より、約50名がオンライン上に集いました。

まずイベントの始めにCEFJ代表 富永 典子氏より、冒頭の挨拶と本イベントの趣旨について説明がありました。世界中に蔓延しているCOVID-19の影響が今もフランスにおいても根強くみられ、今後企業経営の悪化や失業率増大という懸念されています。一方で、危機をチャンスにと力強くコミュニティが団結し、共にイノベーションを生み出し発展させていきたいというCEFJ活動のより一層の活発化を目指す意向を示しました。

また、2019年に成功を収めた第一回のSCCの様子について紹介し、2020年12月に予定している第二回についてもパリ・Station Fにて実施予定であることをお話されました。前回からさらに実践にもとづき具体化した形で実施するだけではなく、日本開催を予定している第三回に向け、日仏スタートアップ・企業のクロス・ハイブリッド協力の構築を目指していくことを宣言しました。

続いて本日のメインコンテンツとして、Prophesee 共同創業者・CEO Luca Verre氏より、

“The future of AI is neuromorphic: How Prophesee is tackling the next challenges of AI leveraging the Japanese ecosystem”

「AIの未来は神経系にあり ~Propheseeはいかにして日本におけるAIの活用という新しい挑戦に立ち向かったか~」

というタイトルにて講演していただきました。またVerre氏はSCC第一回当初より「Why not Japan, Why not France?」というSCCを一貫しているCommon Threadを握るアクターの一人です。世界を舞台に活躍する中、日本のスピリッツと未来が合致するポイントを披露していただきました。

(登壇資料より、従来のFrame-Based sensor(左)とProphesee独自の技術であるEvent-Based sensor(右)を比較)

まず始めに、革新的なセンシングデバイスの開発に用いるProphesee独自の技術体系について説明をいただきました。従来のセンシング技術はFrame-Based Sensorと呼ばれ、色や質感、背景を主に感知するため、外部環境によってはうまく感知できないことや、データサイズが大きくなってしまいAIによる解析に時間がかかることが課題でした。

一方でPropheseeが開発したEvent-Based Sensorは、物体の移動に伴うコントラストの変化を感知することで、外部環境に依らず物体の移動を正確に感知できることに加えて、データ量の縮小や感知に必要な電力消費の低減を可能にしました。

(登壇資料より、コア技術を多様な分野へ実用化することを目指している)

次に、自社の技術体系を使った応用例について紹介をいただきました。Propheseeのセンシングデバイスは工作機械や家電製品、自動車など様々な応用が期待され、このような分野において多くの世界的企業を輩出する日本は、Propheseeにとって注力するべき市場であることについて説明されました。

実際の自動車や電子機器、工作機械への応用例についても紹介をいただき、自動運転やIndustry 4.0の実現にPropheseeのセンシングデバイスが大きく寄与しうることを示されました。

(登壇資料より、製造業におけるバリューチェーンの構築には様々なバリアがある)

続いて、Propheseeが日本の市場にて事業を展開する上で障害となった課題とその解決策に関する提言についてお話をいただきました。複雑なバリューチェーンを必要とする製造業において、規模の小さいスタートアップが価値を付与するためには、大企業との協業が必要であることを述べられました。実際にPropheseeは日本市場への展開に際して、ソニーなどと協業することでこの問題を解決しました。

(登壇資料より、Deep TechエコシステムにおけるCVCの寄与は大きい)

そして最後に、革新的な技術(Deep Tech)をもつスタートアップと日本の大企業との協業を通じたエコシステム構築の重要性について述べられました。スタートアップと大企業の協業は、Deep Techをビジネスとして市場に送り出すために必要不可欠である一方で、新しいバリューチェーンの構築に長い時間がかかるため、CVC(Corporate Venture Capital)を通じた資金援助をはじめとする、大企業主導のエコシステム構築が求められることを示されました。

講演後のQ&Aセッションでは、参加者からの質問が数多くオンラインツールのチャットボックスに数多く集まり、様々な議論がイベント終了時刻のぎりぎりまで展開されました。


4. 次回以降のイベント予定

CEFJでは、2020年12月のSCCに向けて様々なウェビナーやオンラインコンテンツの配信を予定しています。直近では、7月上旬にSCCのコンテンツを一部紹介するウェビナーを実施予定です。

また、7月8日には宇宙インフラの構築を主とする日本のSpaceTechスタートアップ・ispaceをゲストに迎えたウェビナー”Space 6.0”を開催する予定です。皆様奮ってご参加ください。


いかがでしたでしょうか。

日仏交流委員会(CEFJ)実施のウェビナーは会員限定のイベントとなります。CEFJ、およびPropheseeの取り組みに興味のある方はお気軽に弊社までお問い合わせください。

RouteX Inc.では、フランスを中心にヨーロッパのスタートアップエコシステムに関する調査を引き続き進めてまいります。記事として現地の様子を発信しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
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また、RouteXでは引き続きスタートアップ・エコシステムにおける「情報の非対称性」を無くすため、世界中のスタートアップとの連携を進めてまいります。

RouteX Inc.との協業やパートナーシップにご興味のある皆様はお気軽にお問い合わせください。

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