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2020年8月24~26日の3日間にわたって、中東最大のスタートアップ・カンファレンスSTEP Conferenceが実施されました。2020年はCovid-19の影響により、

STEP Anywhere

として、オンライン上にて開催されました。

この度、RouteXは日本では唯一の2020 MEDIA PARTNERとして、公式に取材をすることができました!

ドバイを中心として世界中から多くの注目を集め、イベント自体がエコシステムともいうべきSTEP Conferenceと、地域としての中東のスタートアップやテクノロジーの最新トレンドをお伝えします。

本記事では1日目(8月24日)の様子を中心にお伝えします。

1. 中東最大のスタートアップ・カンファレンスSTEPとは?

2. カンファレンスのオンライン開催の様子

3. イベントレポート – 1日目(8月24日)

4. まとめ


1. 中東最大のスタートアップ・カンファレンスSTEPとは?

(2020年2月に実施されたSTEP Conference 2020のAfter Movie)

STEP Conference(以下STEP)はUAEの首都ドバイを中心に開催されるスタートアップやテクノロジーに関するカンファレンスです。当初はシリーズ化した少人数のワークショップやミートアップとして9年前に始まり、徐々にスタートアップ・カンファレンスとして成長してきました。

現在では、300以上ののスタートアップとともに、100を超える大企業と7000人の参加者を全世界から集める中東地域で最大のテック・カンファレンスとなっています。上記の動画では、2013年の際はわずか8つのスタートアップしか集まらなかったと、STEP Confernce CEO Ray Darghamが語っています。この伸びからも、STEP、および中東のスタートアップへの注目と投資の高まりが急速に起きていることがわかるかと思います。

ちなみにRay Darghamは、2018年にForbes Arab Under 30に選出されその名がさらに有名になりました。レバノン・ベイルートでの大学時代にシリコンバレーでのスタートアップの熱の高まりを感じ、大学卒業後にドバイにて事業をスタートさせました。その後イギリスメディア等から$2Mの調達を受けるなどし順調に成長し、今に至っています。

STEP Conferenceのこれまでの変遷についてはこちらのForbesの記事にて詳しく確認できます。


2. カンファレンスのオンライン開催の様子

今回のSTEP Conferenceは「Anywhere」と題して初のオンライン開催となりました。本イベントでは、イギリスのスタートアップHopinのツールが利用されました。

Hopin自身も、今年6月にシリーズAで$40の調達を成功させるなど、注目のスタートアップとなっています!

オンライン上のUIはこのようになっています。中央にメインウィンドウがあり、右側は質問や特定の個人とのメッセージをやりとりするチャットボックスになっています。また、本イベントはStage, Session, Expoなど複数のセッションが並行して実施されており、それらを切り替えるためのスイッチが配置されています。普段よりZoom等に使い慣れている方であれば問題なく使える設計になっています。

カンファレンスのオンライン化によって、いくつかの利点と欠点を感じました。

利点として、

・現地にいかずともその土地の情報を獲得できる
・セッション間の時間を自由に使える
・チャットボックスから参加者の声を見ることができる
・スタートアップのブースでは一眼で事業内容がわかる

などが挙げられます。

一方、欠点として、

・登壇者側の接続が悪い場合時間が後ろ倒しになりがち
・没入感を得づらい
・会場開催のようにスタートアップのブースを周遊できず偶然の出会いが生まれづらい
・現地参加ではない分時差がある

などが考えられます。

今後も様々なツールによって、オンラインカンファレンスのUXがより現地開催に近づくことが期待されますが、知識や情報はともかく体験という観点において、現時点では実地参加に比べて課題があると感じました。


3. イベントレポート – 1日目(8月24日)

冒頭はSTEP CEOのRay Darghamの挨拶から始まりました。今回のイベントの成功を期するとともに、8月4日にレバノンの首都ベイルートで起こった爆発事故を受けてSTEPのTeam Beirutのメンバーとの交信を行い、”Support Lebanon”という募金活動をイベント中に実施することが発表されました。

一つのトピックについて議論が行われるStageでは、中東に居を構えるVCやスタートアップの起業家、そしてアメリカからゲストを招き、彼らによるトークセッションが実施されました。そして、Covid-19によるスタートアップエコシステムや各業界への影響における議論が活発におこなわれました。

”Investing in Emerging Markets in Times of Crisis”

というセッションでは、サンフランシスコ・ドバイ・アブダビ・ヨルダンの4拠点のVCによるセッションとなりました。シリコンバレーにおいても中東をはじめとした他国のスタートアップエコシステムを注視している、Covid-19は各国によって与える影響が異なるが、中東諸国ではスタートアップのEXITに際して特に大きな影響が出ている、と話しました。一方でアーリーステージのスタートアップには、コロナで顕在化した課題を解決することが期待されているようです。領域としてはFintechとDeep Techに特に着目しているという議論もありました。

特にAgriTechやFoodTechに関するトピックが多いように感じました。今後も人口増が見込まれる中東では、いかに持続可能な食糧供給をおこなうかが課題となっており、その解決策をもつスタートアップが今後も中東から増えてくることが期待されます。

Liveと並行して、スタートアップによるピッチセッションも実施されていました。口頭のみで3分ほどの短い時間でのピッチだったため、最後まで説明できないスタートアップが多かったものの、事業内容を国内外の参加者に発信する有意義な機会なのではと感じました。

各スタートアップは上のように、バーチャルブースとして直接話すことができるようになっています。それぞれ事業分野とステージが明記されているため、参加者目線で自分の興味のあるスタートアップに一目でアクセスできるように工夫されていました。

1日目で最も注目を集めたのは、世界的に著名なVC 500 StartupsのCEO Christine Tsaiでした。同僚のCourtney Powellとともに登壇したTsaiは、コロナ下の次なる注目すべき領域としてデジタルヘルス領域を挙げました。また、500 Startupsのポートフォリオは、この5年でシリコンバレー外の投資を急速に増やしており、今後もシリコンバレー以外のアメリカに加えて、世界中のあらゆる地域が対象になってくると明言しました。

また、本セッションの登壇者が皆女性だったこともあり、Tsaiから女性起業家へのアドバイスとして、スタートアップに関わる業務と、家庭や子どもとの時間のバランスをとることが重要になるというアドバイスがなされました。

1日目の最後のトークセッションでは、LinkedIn Co-Founder Allen Blueが登壇しました。1997年の創業当時のITバブルの際に、元PaypalのReid HoffmanとともにビジネスSNSを着想した経験や、起業家に対するアドバイスが展開されました。

最後は、DJによる音楽セッションがおこなわれました。海外のスタートアップ・カンファレンスでは、ほとんどDJパーティが付随して実施されるため、それに準じているものだと考えられます。


4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

全体を通じてCovid-19によるスタートアップ・エコシステムに対する影響に対して解決策となる指針を与えるセッションが多いと感じました。また、ヨーロッパよりもアメリカからのゲストが多かったことから、アメリカが中東のスタートアップ・エコシステムを注視しているとともに、今後も活発な連携がおこなわれることが示唆されました。

RouteX Inc.では、中東のスタートアップエコシステムに関する調査を引き続き進めてまいります。社内研修や講義も承っておりますのでお気軽に以下よりお問い合わせください。

また、RouteXでは引き続きスタートアップ・エコシステムにおける「情報の非対称性」を無くすため、世界中のスタートアップとの連携を進めてまいります。

RouteX Inc.との協業やパートナーシップにご興味のある皆様はお気軽にお問い合わせください。