Facebook Oculus Connect 6 参加レポート
2019年9月25〜26日にかけてシリコンバレーで開催されたFacebook主催世界最大級のVRカンファレンス Oculus Connect 6に弊社代表の大森が参加したので、現地レポートをお伝えします!
Oculus Connectとは?
Oculus Connectとはシリコンバレーで毎年開催されるFacebook主催の世界最大級のVRカンファレンスです。Facebookが開発するVRデバイスOculusの新プロダクトやテクノロジー、今後の方向性等の発表があり、今やVR業界を牽引するFacebookの発表に世界中のメディアが注目するイベントとなっています。Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグも直接登壇する事からもFacebookのVRに対する力の入れ方が伝わるかと思います!
Oculus Connect 6は2日間に渡って開催されます。まず初日はFacebook Founderのマーク・ザッカーバーグから直接VRの未来や新しいテクノロジー、Oculusの発表等が行われました。Oculus Connect 6では「THE TIME IS NOW」というフレーズが多用され、2019年から本当のVRの時代が始まると繰り返し強調されていました。このなぜ、「THE TIME IS NOW」なのかについてもこちらの記事で深堀させていただきます!
ちなみにこのOculus Connect 6の6というのは開催回数を表しており、2020年度はOculus Connect 7の開催予定だったのですが、こちらもコロナの影響を受けてオンラインでの開催への移行が予定されています。
Facebookにとって最も重要なAnnual Conference 「F8」の8は元々Facebook社内で行われていた8時間ハッカソンから名付けられた事もあって、この数字の違いはマニアな人のみ知っている事かもしれません笑
FacebookはVRの世界がこれまでインターネットやSNSが人々の世界を変えてイノベーションを起こした様に、次のイノベーションの一つだと捉えています。そのため、「The next computing platform」を掲げFacebookとしてもテクノロジー開発に注力している事を強調しています。
今回のOculus Connect 6ではOculus Questに関する発表が最も注目を集めていました。Oculus QuestはこれまでのスマホVRやハイエンドPCとケーブル接続しなければ利用出来ないVRとは違い、スタンドアローンで高性能なVR体験をする事が出来る、UI/UXを飛躍的に改善したFacebookのVRデバイスです。
Oculus QuestはFacebook F8 2019でローンチが触れられてかなりの期待を集めていた事からも、2019年のOculus Connect 6ではその期待に答えるかの様に次々と新しい発表がありました。
今回の発表で最も注目を集めていた新しいテクノロジーはハンドトラッキング機能の実装についてです。これまでのVRデバイスは指定のコントローラーを利用して、VR上でコマンド等をコントロールする必要がありましたが、Oculus Quest ハンドトラッキングはデバイス前方についているカメラが自身の手を認知してVR上に表現することによって、自分の手をコントローラーとして利用出来るテクノロジーです。特にこのOculus Quest ハンドトラッキングのすごい点はデバイスのソフトウェアアップデートだけで利用出来る様になり、追加のデバイスの購入等が必要ないことです。Oculus Connect 6参加者はこの最先端のテクノロジーをカンファレンス当日に優先的に体験する事が出来ました。
こちらの動画で見ていただいた通り、VRがこれまでとは全く違う新しいUI/UXによりVR空間への没入感が増し、VRは次の時代へ進んだと言えるのではないでしょうか。
また、VRで元々人気のあったゲームコンテンツに関する発表もありました。特にOculusのプラットフォームで最も売れたゲームのひとつBEAT SABERのFounderがVR業界のトレンドや自分たちのコンテンツについて話してくれました。BEAT SABERはOculusを持っている人は一度は遊んだ事があるんじゃないでしょうか。
Beat Games FounderのVladimirさんがよく見るとシャア専用のシャツを着てカンファレンスで登壇しています。会場のいったい何人の人がこのおもしろさに気づいたんでしょうか、、笑
実はこの後、Beat GamesはFacebookに買収された事からも登壇している時点で話は大きく進んでいたのでは?と噂されていました。Beat Gemesは2018年にチェコで創業された若い会社であり、Facebookに買収されたという事もあり、VR業界の熱がさらに高まったとも言われています。
弊社代表の大森が現地の様子をTwitterで共有した所、本人がリツイートをしてくれました笑 TwitterのプロフィールにはHardcore fan of Japanese pop cultureという風に熱烈な日本のアニメファンという事も書かれています!
また、今回のOculus Connect 6での発表の中でも新しい時代の始まりを感じさせたのがOculus for Businessです。これまでVRはゲームのイメージが強かったのですが、今後は人材研修やVRデバイスの統合管理等のシステムをリリースしていくと発表がありました。実際に既にヒルトンホテルでの研修やFord等の車の体験システムとしてtoBでの実用が進んでいます。
また、今回はFacebookの最も強みを発揮できる分野とも言える「SNS」をVR上でもプラットフォームとして開発しているという発表がありました。 Facebook Horizonと名付けられたこのVR SNSは独自のアバターを作成して、SNSとVRが組み合わさった新しいユーザーエクスペリエンスを提供します。
Facebook HorizonはOculus Connect 6では開発中という発表のみで、現地でのデモ体験ができなかった唯一のプロダクトでした。実際会場にはコンセプトを体験出来るブースのみで、ブロックを並べて自分の好きなデザインを作る事が出来るおもちゃのみがなぜか用意されていました笑
Oculus Connect 6ではリリースが近い物以外にも、中長期的な研究分野の取り組みについても発表があります。その中でも特にHyper Realistic Virtual Avatarは先ほどのVR SNS Horizonにも通じる所があり大きな期待を持たれています。Hyper Realistic Virtual AvatarはVR ヘッドセット内に搭載されたカメラを用いて本人の表情をリアルタイムでアバターとしてVR空間に表示するテクノロジーで、オンラインミーティングやSNSでも相手の表情を見る事が出来るので、実際に会って表情を読み取って会話する事に近い体験を得る事ができます。
Keynoteの会場以外はフリースペースが多く、至る所で世界中のVRエンジニアやスタートアップが情報交換を行っています。
Oculus Connect 6 会場ではFacebook側からの発表だけではなく、至るところでVRスタートアップがゲリラ的に自分たちのプロダクトのピッチを参加者向けに行っています。こちらはOculus Questと自社開発したデバイスを組み合わせてサバイバルシューティングゲームをガンコントローラーで体験出来るデモです。
特にOculus ConnectではCTOのJohn carmack氏からVRの未来に関する考察が注目を集めています。VR業界の今後の展望やAI、5G等の他のテクノロジーとVRの組み合わせによる進化の可能性等についてVR業界の常に最前線にいた経験から様々な示唆を与えてくれ、まさにVR業界の師匠という雰囲気です。
(スライド等はなく、1時間近く一人で話続けるKeynoteは初めてでした笑)
John carmack氏はKeynote終了後に会場を周り、様々なVRスタートアップやエンジニアのピッチに耳を傾けてフィードバックを与えてくれます。世界中から集まった関係者がJohn carmack氏からフィードバックをもらおうと数十人が周りを囲んでいます。
そして、今回のOculus Connect 6で今後が最も楽しみになったのはFacebookがオフィシャルにAR glassを開発中という発表でしょうか。これまでOculus ConnectはFacebookのVRデバイスOculusを中心としたカンファレンスでしたが今後はXR(VR/AR)という風に発展していくかもしれません。VR開発においてFacebookは他のGAFAMの追随を許さない程に研究が進んでいますが、AR glassの開発はGoogleやAppleも急速に進めているという噂もある事から、VR研究の知見がARとどれだけ組み合わされて発展するのかにも注目が集まっています!
いかがだったでしょうか?
VR開発の最新のトレンドと今後の成長に対する期待が伝わったのではないでしょうか。VRが世界を変えるイノベーションを起こすのはもう目前かもしれません!!
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