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記事一覧 > 旧ソ連諸国におけるスマートシティトレンド – エストニア・ウクライナ・ベラルーシ・アゼルバイジャン –

前回の記事では、旧ソ連諸国の中でも特にロシアを取り上げ、スマートシティが発展していることをお伝えいたしました。
▼前回の記事はこちら

今回は後編として、IT国家として有名なエストニア、さらにその他の旧ソ連諸国のスマートシティトレンドをご紹介します!

エストニア

エストニアはロシアとヨーロッパの間に位置します。
人口はわずか130万人、面積は日本の約9分の1の大きさです。

この小さな国で、無料通話サービスのSkypeや海外送金サービスのWise(旧TransferWise)など世界的に有名なサービスが生まれました。
なぜこのような小さな国にもかかわらずIT先進国家として発展することができたのでしょうか。

独立を守るためにITで国を再建

前述の通り、エストニアはロシアとヨーロッパの間に挟まれた国です。
このような地理的環境により、小国のエストニアは様々な国に統治された歴史があります。地続きでロシアと隣接しており、ロシアにも長く支配されてきた歴史があるのです。独立後も国境付近にはロシア系住民が多く、国境問題も抱えていました。
90年代、旧ソ連から独立を果たしたエストニアには資源や財力がありませんでした。国土の半分が森林に覆われた国のため、主要産業は林業でした。
しかし、旧ソ連時代には軍事技術の研究拠点が置かれており、優れた技術者は多くいました。

― 資源がなくとも頭脳と技術を活かし、ITで国を再建する ―

このようにエストニア政府はIT産業育成に舵を切ります。
また、戦争で国土を侵略された場合でも、国家運営を維持できるようにするため、必然的に電子国家化する必要性があり、国民の情報を電子化して、IDで国民が行政サービスを利用できる等、電子政府化を進めました。
2001年にはエストニアの基盤技術となっている、異なる機関のデータベースを連携させるプラットフォーム、「X-Road」を構築しました。
これらの技術により、エストニアでは、公共サービスの99%が24時間オンラインで利用でき、年間1400年以上の労働時間を節約することができるようになりました。

サイバーディフェンスの象徴的国家エストニア

2007年、エストニアは、ロシアの関与が疑われる大規模なサイバー攻撃を受けました。
当時のエストニアはすでにIT国家として電子政府を導入し、ITの仕組みが出来上がっていました。このようなIT先進国だからこそ大規模サイバー攻撃に耐えうることができたと言われていますが、攻撃を受けた後、エストニアはサイバーセキュリティー戦略を迅速に採用し、世界に先駆けてブロックチェーン技術の導入などスマートシティ化を加速させました。
また、NATO(北大西洋条約機構)のサイバー防衛拠点を誘致し、サイバーディフェンスにさらに力を入れるようになりました。
サイバー攻撃の国際法として、『タリンマニュアル』が刊行され、エストニアの首都名が使われている通り、サイバーディフェンスの象徴的な国家としてエストニアは発展しました。

このように地政学的に難しい状況により、エストニアは必要に迫られてスマートシティを発展させたと言えます。

運賃無料×自動運転バス – SDGsの先行事例

エストニアの首都タリンでは、タリン工科大学と共同で自動運転バスの実証試験プロジェクトが2019年7月に開始されました。
カドリオルグのトラム停留所とクム美術館を結ぶ自動運転バス路線が一般公開され、乗客は無人車両で移動することができます。
タリン市民は2013年から公共交通機関を無償で利用可能のため、このバスも無償で乗車することが出来るのです。

2021年には、エストニア第二の都市タルトゥで7月5日から水素燃料を使った無人の自動運転シャトルバスの運行が開始されました。
シャトルバスは、エストニア企業Auve Tech社と地元タルトゥ大学によって共同で開発されたものであり、水素燃料を使った交通機関の運行は世界で初めて行われました。

引用:An autonomous hydrogen-powered vehicle to be launched in Estonia

これらプロジェクトの目的は、環境に優しくスマートな自動公共交通機関を組織化し、自動車メーカーを持たないエストニアでも自動運転車のノウハウを蓄積することであり、今後の発展が期待されます。

政府主導のテックカンファレンス「Latitude59」

エストニアでは、政府主導でのテックカンファレンスLatitude59が開催されており、エストニア最大のスタートアップイベントとして世界中の起業家から注目されており、日本からも多くの起業家が参加しています。
またエストニアの「e-residensy」制度を利用すると、世界中のどこでもオンラインでエストニアに法人を立てることができるのも、国内外の起業家から注目されている点の一つです。
エストニアは人口約130万人という小国ながら、ペーパーカンパニーを含むと約5人に1人は起業をした経験があると言われており、官民連携で国家規模でスタートアップが発展しているということが伺えます。

「人間中心主義」的政策

エストニアが2020年に発表した『国家の2035年までの成長戦略』では、基本となる5原則の一つに「エストニアは革新的で、信頼に値し、人間中心の国家である」が挙げられています。
2016年に発表した「SDGs達成に向けたエストニアの取り組みの展望」では、2020年に公共サービスの満足度を85%達成することを目標に盛り込んでいます。つまり、持続可能な自動化された行政サービスを、人間中心且つ安全に提供するという方針です。

さらに、フィンランドと共同でクロスボーダースマートシティ「タルシンキ」構想を掲げています。2015年には、フィンランドにもエストニアの電子国家の基幹技術である「X-road」が、フィンランド国内に部分的に導入されました。
2018年初めには、エストニアとフィンランドにおいて国境を超えた電子サービスを提供するための準備が整い、健康保険や処方箋、税関連、交通記録や市民登録情報の共有の試みが開始されました。
2019年には、最先端のデジタルインフラを整えるために、両国の高等教育機関の連携と技術開発への本格的な支援が開始されました。
エストニアは、フィンランドと共に、北欧的スマートシティのトレンドである人間中心の共生型社会システム構築へ向かっているのです。

ウクライナ

ITで進める脱露入欧

ウクライナはロシアの隣に位置する国であり、ロシアにとっては、ウクライナは歴史や民族の面で結びつきが強く、旧ソ連を共に牽引してきた「兄弟国家」です。経済的・地政学的重要性から、ロシアはソ連崩壊後も、ウクライナの政治に関与し続けてきました。
ウクライナは、旧ソ連から独立後もロシア系住民が多く、クリミアの問題など地政学的に難しい問題を抱えた国です。

豊富な国土に恵まれた農業国家ウクライナは、エネルギー資源などロシアに経済を依存しています。天然ガスをめぐりロシアとウクライナ間のガス紛争は度々起きており、ウクライナへの天然ガス供給停止が実際起こったように、ウクライナに対するロシアの姿勢は強硬姿勢を貫いています。
このようなロシアによる経済的圧迫に耐えかね、ウクライナはEU加盟を目指すようになります。また、2014年のロシアによる南部クリミア併合や、親露派住民が多い東部地域の分離独立運動などを通じ、ウクライナでは反露感情が強まっており、脱露入欧へシフトしています。

ウクライナは隠れたIT大国として、独自に発展してきました。
ソ連時代、核開発などの研究が進められ、優れた技術力を有していました。
ソ連崩壊後も技術立国として理系人材の育成に注力する中、ウクライナはIT産業に注力し外貨を稼ぐようになり、1990年代初頭から急速な発展を遂げるようになります。
オフショア開発企業が誕生し、人件費が安い特徴もあったことから、西欧や北米のシステム開発の請負をすることで同国のIT産業は急成長しました。

ウクライナを取り巻く国家危機は天然ガスやクリミア危機だけでなく、サイバー空間でもウクライナはロシアの脅威にさらされています。
ウクライナでは電力システムを狙ったサイバー攻撃によって大規模停電が2015年と2016年に連続して発生しました。
このサイバー攻撃もロシアの関与が疑われており、ウクライナは優れた技術力を活かし、ロシアの脅威に耐え、且つ欧州にも認められる「IT大国」を目指すようになります。

EU加盟への道筋として進めるIT化

ウクライナはエストニアの電子国家政策に着想を得て、ウクライナ独自の戦略として「スマートフォンの中の国家」という取り組みを行っています。
ウクライナ政府が市民や企業に提供しているサービスを統合したポータルサイトのアプリケーションとして、2020年2月、モバイル電子政府アプリケーション「Dia」が発表されました。ウクライナではスマートフォンが普及しており、スマートフォンによる行政サービスを提供することで、旧ソ連時代から汚職が蔓延していた官僚主義体制から、より先進的な国家にウクイナを生まれ変わらせるという戦略が狙いです。
米国国際開発庁(USAID)によると、ウクライナはヨーロッパ一の汚職国家と分類されています。つまり、汚職を撲滅し、諸外国からも認められる先進国家の仲間入りすることで悲願のEU加盟を果たしたいという狙いも背景にあるのです。

ウクライナのデジタルトランスフォーメーションの指揮をとったのは、当時若干28歳であったミハイロ・フォードロフ氏でした。
ウクライナでは、これまでに最も利用されている50の公共サービスをデジタル化しており、2024年までにこのDiaアプリを通じて、すべての市民と企業が100%の公共サービスを利用できるようにするとしています。
若手IT人材を起用し、革新的な取り組みを行うウクライナに今後も注目です。

ベラルーシ

独自路線でIT化を進める欧州最後の独裁国家

ベラルーシといえば「欧州最後の独裁国家」として知られた国ですが、ウクライナのように隠れたIT国家であり、独裁国家だからこそ国家主導でハイスピードにスマートシティ化やIT化に取り組むことができ、独自の発展を遂げています。

ベラルーシとはスラブ語ベラ「白い」とルーシ「ロシア」の意味を持つ国です。国家名の意味からも想像できる通り、ベラルーシも歴史上ロシアの兄弟国家でした。
現在も貿易やエネルギー供給等でロシアに多く依存しており、ロシア経済の落ち込みなどを受け、ベラルーシの経済も危機的状況に陥りました。
2017年、第8号大統領令により、経済のデジタル化を最優先課題と位置づけ、デジタルエコノミー開発を国を挙げて促進することが決定されました。

国家規模でハイテクパークの建設へ

経済のデジタル化を促進する大統領令の一環として、Hi-Tech Park(HTP)に適応されている優遇策の期限を延長し、多くの企業を誘致することが戦略として挙げられています。
HTPとは、2005年9月、ベラルーシにシリコンバレーのようなテクノロジーハブを構築しようという目的で始まったプロジェクトであり、ルカシェンコ大統領の大統領令によって開始されました。
特に輸出志向のIT産業を育てることに重点が置かれ、HTPで作られたIT産業の8割は国外に輸出されています。
またHTPには教育センターがあり、入居企業は、雇用に必要な特定のIT分野の教育を受けた新入社員を選ぶことができます。
さらに、起業を支援するビジネスインキュベーターもHTPに加わり、スタートアップ企業の支援を行っています。

ベラルーシのHTPの取り組みは、人材がオフショア開発だけに使われないよう起業家を育てることに重きを置いており、人材の育成から雇用の創出に至るまで、全面的にIT産業を支援し国家に還元するという取り組みが、国家規模で戦略的に行なわれているのです。

仮想通貨を合法化 – ブロックチェーン技術の発展へ

2017年、デジタルエコノミー開発のためにベラルーシは世界で初めて正式に暗号資産(仮想通貨)が認められた国となりました。一定の条件を満たす事が必要ですが、暗号資産(仮想通貨)取引やICO・スマートコントラクトが合法となり、2023年まで、トークンの作成や取得、マイニングに関する活動については非課税となりました。

教育面でも仮想通貨開発に取り組んでいます。
ベラルーシ国立技術大学(Belarusian National Technical University)では、仮想通貨やICOについて扱うコースが提供され、「仮想通貨の運用」や「仮想通貨先物の運用」、「ブロックチェーン技術の使用」また「IPOの代替としてのICO」について学ぶことができます。
このように、国家レベルでブロックチェーン技術の発展やデジタル経済を進めています。

ブロックチェーン技術はスマートシティ政策にも

現在構想中のベラルーシ官民連携プロジェクト、「スマートシティ・ミンスクプロジェクト」にもブロックチェーンの技術が使われています。
「建物のデジタル化」プロジェクトでは、都市のすべての建物の情報をブロックチェーン上に作成し電子データベース化することが取り上げられています。
建物の技術的特性、用途、材料や設備のサプライヤー、メンテナンスを担当する業者などの情報が電子データベースで一元化されます。
このプロジェクトは、建設プロセス、請負業者、資材の量と質、および建設工事の進捗状況をモニターすることを目的とされています。

ミンスク初スマートシティフォーラム

2020年には、ミンスクで初めてスマートシティフォーラムが開かれました。参加国はロシア、ウクライナ、カザフスタン、オーストラリア、スイス、台湾、オランダ、中国の9カ国で、またベラルーシの30以上の都市が参加し、スマート・サステイナブル・シティの実現に向けたコンセプトとロードマップの策定が議論されました。ベラルーシのスマートシティ政策は、ロシア周辺地域だけでなくヨーロッパでも注目されているのです。

スマートシティとしてはまだまだ発展途上のベラルーシですが、大統領令によって戦略的に国家規模でIT化を進めるベラルーシの発展に期待されます。

アゼルバイジャン

急速な経済発展に伴う課題へIT化で対応

アゼルバイジャンはカスピ海の西岸にある国家で、 東ヨーロッパと西アジアの境目に位置し、豊富な石油・天然ガスを有する資源国家です。
ソ連からの独立後、豊富なエネルギー分野への海外からの直接投資や原油高に伴う多額の収入で急速に経済成長を遂げ、2002年から6年間、GDP成長率は2桁となりました。
そのため、急速な都市化への対応が必須となりました。
一方で、第二の主要産業は農業ですが、都市部と農村部の格差が広がり、近年の戦争で荒廃した地域の発展も課題となりました。
これらの課題に対して、アゼルバイジャンはIT化を通してインフラ整備に取り組んでいます。

先進国家にならい、独自発展を遂げる

アゼルバイジャンは、インフラ整備において電子政府先進国家エストニアの技術を取り入れました。エストニアの電子政府の基盤プラットフォームである「X-road」を導入し、アゼルバイジャンでもワンストップで行政サービスを受けることができるようになりました。官僚主義的遅延を根絶し透明性を高めるため、X-Roadプラットフォームもインフラの重要な構成要素とみなされています。

このように先進国家の取り組みを取り入れながら、アゼルバイジャン独自の政策も行っています。それが、2018年に導入された世界初のm-Residencyプログラムです。
基本的な仕組みはエストニアのe-Residencyと同じですが、m-Residencyには同じ機能を持つ特別なAsan İmza(Mobile ID)SIMカードが発行されます。
Asan İmza サービスに加入すると、新しいAsan İmza SIMカードが送られて、これを携帯電話に挿入することで使用できます。
つまり、携帯電話そのものがIDカードになるのです。
プラットフォーム上のすべてのEサービスはAsan İmzaでアクセスすることが可能であり、専用ソフトウェア等を使う必要がないため、簡単且つコストを抑えることができる利点があります。

アゼルバイジャンは世界で二番目のe-Residency導入国であり、また世界で初のm-residency導入国となりました。透明性の高い技術と革新的な取り組みにより、アゼルバイジャンへの投資を呼び込もうとしています。

戦争で荒廃した地域もスマートビレッジ化へ

2021 年 2 月、アゼルバイジャン大統領府は、『2030 年に向けた経済社会開発国家優先事項17』を発令し、「国家優先事項」を決定しました。
そのうちの一部に、アルメニア占領下にあった「解放地域」への大いなる帰還の実現、そしてクリーンな環境とグリーン成長の実現が挙げられました。
戦争で荒廃した地域をテクノロジーで開発、また農村部の仕事をITによって効率化し、地域経済の活性化や再生可能エネルギーの導入を進める―「スマートビレッジ」化を進めることを打ち出しました。
例えば、ソーラーパネルを使った環境に優しい住宅建築や、ドローンやロボットを使った農業、また近代的な学校や診療所の整備など、ゼロベースから最新技術を使った都市開発が進められています。

日本企業もアゼルバイジャンのスマートビレッジ政策に参入しています。東電設計株式会社は、アゼルバイジャンと、グリーンエナジーゾーン(アゼルバイジャンに新たに加えられた解放地域)における電力供給のためのマスタープラン作成について契約を締結したことが発表されました。
アゼルバイジャン政府が推進するグリーンエナジーゾーンでは、主に再生可能エネルギーによって電力を供給し、脱炭素経済社会の形成を目指しています。

アゼルバイジャンは先進国家の取り組みや技術を取り入れながらも、自国の課題に独自で向き合いスマートシティ・スマートビレッジ化に取り組んでいるのが特徴です。

2つのスマートシティのトレンド

今回ご紹介した旧ソ連諸国では、地域的特徴や地政学的背景もありスマートシティ化の背景がそれぞれ異なっています。旧ソ連諸国のスマートシティトレンドは、主に親ロ派、親欧派に二つに分けることができるでしょう。
親ロ派の国家では、ロシアのスマートシティ政策のように国家主導で戦略的に舵を切ることで、非人道的といった批判の声も聞かれますが、迅速かつ独自に発展を遂げています。
一方、親欧派の国家では、エストニアのスマートシティ政策のように、人道主義や持続可能な開発に重きを置きつつ、民間企業の技術をすくい上げ発展させていくケースが見られます。

日本ではあまり馴染みのない旧ソ連諸国ですが、各国の地域的特徴や歴史的背景、周辺諸国との関係等を多面的に見ることで、スマートシティのトレンドもみえてくるのではないでしょうか。

RouteXでは、今後も旧ソ連地域のスマートシティ政策に注目したいと思います。

投稿者:東 里恵
ロシア留学中に、日本より便利と思われる公共交通機関に驚き、スマートシティに興味を持つ。また多くの海外経験から、各国のテクノロジーや世界のビジネストレンドにも興味を持つ。国際政治や経済安全保障にも関心があり、世界のスタートアップ・エコシステムを様々な観点から分析。
RouteX Inc. では主にリサーチを担当。

RouteX Inc.では毎年ロシアのスタートアップ・エコシステムの現地調査を行っており、首都モスクワ近郊に政府主導で開発が進むイノベーション都市スコルコボを中心としたスタートアップとの連携の強化に動いております。
今後はモスクワやスコルコボだけでなく、ロシアの他の都市へのリサーチへと活動も広げていく予定にしております。
これまでのロシアでの調査活動はこちらからご確認いただけます。

RouteX Inc.では引き続きスタートアップ・エコシステムにおける「情報の非対称性」を無くすため、ロシアをはじめとする世界中のスタートアップとの連携を進めてまいります。
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