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記事一覧 > 「クソゲー」と揶揄されるVoodooの凄さ

引用:Voodoo

ほとんどすべての人がアプリストアで見たことがあり、学生であれば1回はダウンロードしたことがあるであろう「Voodoo」のゲーム。

実はLa French Tech Next 40にも選ばれたフランスで極めて注目度の高いスタートアップです。「Voodoo」のビジネスモデルは緻密で、その成功の背景にはいくつかの理由が隠されています。

今回はmobilefreetoplay様の記事を参考に、その理由を5つに分けて簡単にご紹介します。

※本記事は過去の弊社SNSアカウントの投稿を元に作成したものになります。また参考記事は2018年に記述されたものであるため、現在の状況とは異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。


Voodooの成功に隠された5つの理由

そもそも「Voodoo」とはどのようなサービスを展開する企業なのでしょうか。

聞き覚えがない言葉かもしれませんが、「Voodoo」はハイパーカジュアルと呼ばれる、誰もが10秒で理解できるようなUIのゲームを展開しています。

特にアプリストアでも数十万件以上のレビューを獲得している有名なものは、「Hole.io」「Crowd City」「Paper.io」などです。

出典:QubicGames, YouTube

そして、この「Voodoo」が成功した背景には、以下の5つの理由があります。

  1. ゲームデザインを気にしていないこと
  2. 驚異的なペースでのゲームリリース
  3. ゲームを安く成長させていること
  4. 広告表示の工夫によりUXを大きく改善し、顧客と良い関係を築いていること
  5. 大規模な顧客データにより、DAU(Daily Active Users)が非常に低くても収益を生むことができること

それぞれ簡単に見ていきましょう。まず1つ目はゲームデザインを気にしていないことです。無料ゲームの中で独占的な地位を確立している「Voodoo」の強みは、ゲームデザイン自体ではなく、数多くのゲームのマーケティングを行い、アプリストアのトップに押し上げる能力です。ゲームの内容ではなく、ユーザーにインストールしてもらうことに焦点を当てています。

2つ目は、驚異的なペースでのゲームリリースです。「Voodoo」はそれぞれのチームと綿密に連携して、開発→ローンチ⇔FBというトライアンドエラーを何度も行います。これを実現するのは、100から200ある開発スタジオです(2018年頃)。そこから開発されたゲームを厳しい競争と数値基準で選抜しています。

3つ目は、ゲームを安く成長させていることです。ほかのゲームでは顧客単価(CPI)を重視しますが、Voodooは顧客生涯価値(LTV)を意識して複数のゲームで市場を支配しています。

出典:mobilefreetoplay

4つ目の理由は、広告表示の工夫によりUXを大きく改善し、顧客とよい関係を築いていることです。自然なタイミングで広告を挿入することで、ゲームを強引に中断し、顧客からの印象が悪くなることを防いでいます。

最後の理由は、大規模な顧客データにより、DAU(Daily Active Users)が非常に低くても収益を生むことができることにあります。顧客行動の分析により、個々をセグメント化でき、効果的なマーケティングを実現しています。

今回参考にした記事は、6年前の、フレンチテック採択以前に書かれたものですが、成長モデルや他企業が気づきすらしない戦略の重要性がわかりやすく分析されています。

ゲーム分野の企業といっても、その戦略は各企業ごとに大きくことなっており、この記事ではモデルの持続可能性について触れられていないものの、現在でも独占的地位を保っている状態からわかるように、ユーザーと利益を増やし続ける魅力がそこにはあります。

参考記事1:5 reasons why Voodoo beats small game developers on the app store


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投稿者:近藤 碧

京都大学経済学部経済経営学科在学(-2025.3)。ゼミではスタートアップの経営戦略に関するリサーチ・研究に取り組んでいる。2023年9月より、京都大学大学間学生交流協定に基づく交換留学生としてKoç Universityに派遣され、半年間トルコのイスタンブールに滞在した。2022年よりRouteXでインターンシップを開始し、業界リサーチから海外スタートアップの日本進出支援まで幅広い案件を担当。趣味は愛車のバイク(S1000RR ‘21)に乗ることであり、他大学のバイク部にも加入している。


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