弊社がMedia Partnerを締結しているSTEPによる中東・サウジアラビア最大のテック＆スタートアップイベント「STEP SAUDI 2021」が、2021年11月17日・18日の2日間に渡ってオンラインで開催されました。
今回の「STEP SAUDI」は、約10年に渡って実施されてきた中東最大のスタートアップカンファレンスStep Conferenceの主催者であるSTEPが提供する、サウジアラビア最大のテック＆スタートアップイベントです。
サウジアラビアのスタートアップエコシステムは、創造性を促進するインタラクティブなネットワークを基礎としており、スタートアップとハイテク企業が協力して製品を開発する機会を提供しています。
第3回目となる今回は、その中から60名のスピーカー、100社以上のスタートアップ、1500名以上が参加しました。
STEPとは？
STEPとは、MENAおよびスタートアップに精通した世代を超えた視聴者向けに、オンラインやリアルイベント、ポッドキャスト、ニュースレターを提供する新しいメディア企業です。STEPは、小規模なワークショップから生まれました。STEPのイベントでは、世の中への影響力が大きいテクノロジーやデジタル技術、多くのスタートアップからの参加者を募り、テクノロジー企業やブランドを展示したりエンターテインメントや衛星イベントで活気ある体験を皆さんに提供しています。
STEPが開催するイベントは現在主にオンラインで活発化しており、2020年8月には初の完全オンラインカンファレンスSTEP Anywhere 2020が開催され、RouteXが日本唯一のMedia Partnerとして参加しました。
イベントの様子はこちらからご覧いただけます。
今回のSTEP SAUDIにおいても、弊社がMedia Partnerとして参加します。
イベント概要
開催日時：2021年11月17日（水）20:00～1:05、18日（木）20:00～1:35（日本時間）
＜ライブステージ＞
ライブステージ、ワークショップを同時進行で実施。
＜スタートアッププログラム＞
投資家、クライアント、パートナーと繋がりを持てるスタートアップのための特別プログラムが用意されています。
参加する際にスタートアップ用のパスを申請することで、自社の製品のデモを行うことも可能です。
＜ネットワーキング、マッチメイキング＞
参加者の中から更に厳選されたメンバーとオンライン上でネットワーキングすることが可能です。
その他、バーチャル体験・展示会など。
今回の参加費用は、
・マスターパス（学生用） …29ドル
・マスターパス（レギュラー）…89ドル
・投資家用パス …119ドル
でした。
ピッチコンペティションの結果
ここで、本イベントのメインでもある、スタートアップによるピッチコンペティションの結果をご紹介します。
今回参加したスタートアップは27社で、事前に開催されたスタートアップベースキャンプに参加していた50以上のスタートアップの中から27社が選出されています。
参加したスタートアップ27社が手がけるサービスを見ると、請求・支払いサービスや貯蓄をサポートするFin Tech系、レストランや店舗のオペレーションをサポートするFood Tech系が多い印象です。
また、中東のイベントでありながら韓国のスタートアップがかなり多く参加していたことは注目ポイントかもしれません。中でもアニメーションや動画に関するサービスが多く、K-POPアイドルとそのファンのコミュニティをより密接に繋げる珍しいサービスを展開しているスタートアップもありました。
コンペティションのファイナルに進出した6社はこちらです！
- ADSTADIUM.IO（UAE／ドバイ）
- Troc Circle（アメリカ／カリフォルニア）
- ROCK（韓国）
- VideoMonster（韓国）
- Mbshr（カザフスタン）
- Algebra Intelligence（ヨルダン）
第1位から3位までのスタートアップについて少しご紹介します。
第3位：ROCK（韓国）
ROCKは、世界初の「USBストレージデバイス」から「ワイヤレスUSB（UWB）」まで、クリエイティブな製品を生み出してきた韓国のスタートアップです。今回発表されたROCKリングを使うと、PCやスマホなどの電子機器を指１本で簡単に操作できるようになります。
この小さなリングには、2種類のセンサーが搭載されています。
カーソル操作、クリック、ドラッグ&ドロップなどの従来のマウスと同等の働きをする光学センサーと、画面の拡大縮小やゲームなどを自由自在に可能にする触覚センサーです。
それに加えて、LED、バッテリー、Bluretooth機能も搭載している、次世代の超お役立ちビジネスツールです。
ROCKは、デスクワークの多いオフィスワーカーたちのマウス操作での負担に着目しています。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、マウスでの操作は手根菅（腱と神経が通っている手首内の管）に負担がかかりすぎることが問題視されています。
このROCKリングは、”空中マウス”として空間を指でなぞるだけでスマホやPCの操作をすることが可能なので、デスクワークの負担をかなり下げてくれるのです。
第2位：Mbshr（カザフスタン）
Mbshrは、QRコードを用いたDXソリューションの分野におけるカザフスタンのリーディングカンパニーです。
QRコードを基盤にしたスマート注文システムの分野では認知度が高いサービスで、同様のサービスにおいて創業から最初の3か月で世界で2番目にサイトへのアクセスが多かったそうです。
レストランのテーブルにあるQRコードをスキャンするとメニューが表示され、そこから料理を注文するとスタッフに伝達されて、完全非接触での飲食体験を実現出来ます。
簡単で安全な注文ができる顧客側のメリットに加え、店舗側の対応もシンプルになり、双方にメリットがあります。顧客と店舗スタッフのコミュニケーションを非接触にすることで時間を大幅に節約し、全体のコスト削減につなげています。
またAIの力を利用して、人気のある料理、顧客の好み、さらには全てのアイテムの閲覧回数を詳細に分析し、そのデータを店舗側に展開するサービスもあります。店舗側は、それによってメニューの配置を変更することも可能です。
このように、顧客データを活用して店舗の売り上げを伸ばすサポートも行っています。
なお、Mbshr はアラブ首長国連邦の法律に基づいて組織され、カザフスタンとアラブ首長国連邦に専用のオフィスを持つライセンス企業です。
GCC諸国（サウジアラビア，アラブ首長国連邦（UAE），バーレーン，オマーン，カタール，クウェート）のレストランやホテルを対象にサービスを展開しています。
第1位：VideoMonster（韓国）
VideoMonsterは、短編動画を手軽に作成できるオンラインサービスです。
近年、スマホで本格的な撮影が可能になる程”撮影ツール”が発達していますが、撮影した素材の”編集ツール”はまだまだ素人が使いこなせるレベルのものが少なく、動画制作は難しいものだという印象を拭い切れずにいました。
そんな中、Video Monsterは非常に高品質な動画テンプレートを提供しており、30秒ほどの高レベルな動画を、たった数分で作成できます。
4534種類ものモーションテンプレートと400のBGMがあり、ユーザーは会員登録なしでテンプレート1本から購入することができます。
現在、英語、韓国語、日本語、タイ語、ベトナム語の5つの言語での完全なローカリゼーションをした上でサービスを展開しており、現地の言語でのサポートやデザインフォントを提供しています。
既にスタートアップ、企業、広告代理店、政府機関など、20万人を超えるユーザーが使用しており、2021年にはインド、インドネシア、およびMENA地域でサービスを開始する予定だそうです。
今回のピッチに登壇したVideo MonsterのTaylorは、次のようにコメントしています。
「スタジオのようなクオリティーを目指すのではなく、日常的に利用するSNSなどでかっこよく投稿できるようなものをテンプレートとして提供しています。そうすることで、ブランドを売り込む発信力になります。
実際にアイデアを出したのは（VideoMonster創業者である）ポールです。
彼はこの事業を始める前の15年間、ビデオ制作スタジオを経営し、TV CMや動画広告などを制作していました。しかし質の高い動画を作るには時間とコストがかかりすぎると考えていました。そこで、動画コンテンツを必要としながらも、そのためのリソースがない中小規模の広告代理店の人も質の高い動画制作が出来るように、そして動画制作を世の中のもっと多くの人の手に届くものにしたいと考えました。
私はこのイベントを通じて、GCCやMENA市場に私たちのサービスを紹介できることをとても楽しみにしています。」
Withコロナ時代となって以来、「おうち時間」「オンライン」が世の中の大きなキーワードとなっていましたが、今回受賞した3社は近年で激増したコロナ需要に応えたスタートアップだったようです。
RouteX Inc.では引き続きスタートアップ・エコシステムにおける「情報の非対称性」を無くすため、中東をはじめとする世界中のスタートアップとの連携を進めてまいります。
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