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記事一覧 > メキシコのスタートアップ環境

Image Credit:Google Map

本記事では、メキシコのスタートアップ環境について、ご説明いたします!

メキシコは、アメリカ合衆国・グアテマラ・ベリーズを隣国とする連邦共和制国家であり、

近年、中米で最もスタートアップのエコシステムが発展してきている国の一つです。

国外的にアメリカ合衆国とラテンアメリカに近接していることで両市場にも近く、

国内最大級のビジネスハブであるMexico City(メキシコシティ)やTech企業の中心地Guadalajara(グアダラハラ)、「メキシコのシリコンバレー」とも呼ばれるZapopan(サポパン)、国際的スタートアップの中心地Monterrey(モンテレイ)などで、

スタートアップのエコシステムが盛り上がってきています!

1 ビジネスハブのMexico City

(メキシコシティのビジネス街には、TelcelやTHALES、HBOなどの大手企業が集まっています。)

メキシコシティは、メキシコの首都であり、約20年前の治安の悪化したイメージは薄れつつあり、2100万人の人口を擁するメキシコの文化的・政治的・経済的活動の中心地となっています。特徴的なのは以下の3点です。

大手企業の集積

1点目は、Telcel(メキシコ)やTHALES(フランス)などの大手企業が国内外から集まっていることです。特にTelcelはメキシコ発のIT企業として、スタートアップへの投資と支援に力を入れています。

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アクセラレータ・インキュベータの存在

2点目は、500StartupsやWeworkなど、グローバル規模のアクセラレータ・インキュベータが進出している上に、Startup Mexico(SUM)やThe Pool・Homeworkなど、メキシコ発のインキュベータ・コワーキングスペースが多く存在することです。

特に、Startup Mexico(SUM)は、政府の支援も受ける半官半民のインキュベータであり、メキシコシティに設立された後、国内の3つの地域に拡大しています。

大学と政府系ファンドの支援

3点目は、国内最高峰の大学であるNational Autonomous University of Mexico(UNAM)や政府系ファンドInstitut of the Entrepreneur (INADEM)が存在し、

スタートアップについての啓蒙活動やカンファレンス、投資活動等を行っていることです。UNAMは1551年に設立され、歴史的にメキシコを代表する公立大学であり、Rennueva等の大学発のスタートアップも輩出しています。

INADEMは政府の支援を受けるファンドであり、首都に拠点を置きつつも地方のスタートアップへのインパクト投資も行い、総額600USドルもの投資を国内中のスタートアップに行っています。

​2 注目されるスタートアップと市場

メキシコでは、Fintech・eコマース・輸送等に関連するスタートアップに投資が集まっていると言われています。以下に、メキシコシティ発の代表的なスタートアップの中から2つを紹介します。

個人向けキャッシュレス決済 Clip

Image Credit: Google, clip.mx

​1つ目は、Fintechに位置付けられる、キャッシュレス決済サービスを提供するClipです。Clipは、スマートフォンやタブレットと連携して、個人がクレジットカードによる決済を受け入れることができるモバイルデバイス等を開発しており、2015年に American Expressから800万USドルの投資を受けて、アメリカ合衆国に進出して成長し続けています。​

ラテンアメリカ最大のライドシェア Aventones

Image Credit: Google, Aventones HP

2つ目は、輸送に関連づけられる、ライドシェアリングのサービスを開発するAventonesです。Aventonesは、メキシコシティの交通渋滞を緩和するために、ライドシェアのアプリを開発し、ラテンアメリカで最も成功したライドシェアアプリとなった後、2015年にヨーロッパの大手企業BlablaCarに買収され、エグジットを果たしました。​

3 Tech企業の中心地Guadalajara

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​政府の起業支援には地域間格差の是正という側面もあり、実際に首都メキシコシティ以外の地域では、地域特有のエコシステムが発達しています。​

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特にグアダラハラは、Tech企業の中心地とされており、

グアダラハラの一部である、サポパンは「メキシコのシリコンバレー」と呼ばれつつあります。

グアダラハラには、IBMやGE、Hewlett-Packard等の大手IT企業が進出してオフィスを設けており、特にWizelineはメキシコ発の大手ソフトウェア企業であり、ミートアップやハッカソン、アクセラレータプログラム等のスタートアップの支援・投資を活発に行っています。

4 国際的投資の中心地Monterrey

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モンテレイは、国際的にスタートアップ投資が行われる中心地となっています。例えば、Googleの支援を受けるStartup Grind Communityが進出している他、メキシコ発のVCであるAlta Venturesの本社があります。また、ラテンアメリカを代表する工科大学Tecnologico  de  Monterreyがあるのも特徴です。

5 メキシコのスタートアップ環境を知る参考動画

 こちらは、メキシコの半官半民のインキュベータStartupMexico(SUM)の紹介動画になります!現地のスタートアップ環境をイメージする際の参考になります!

(SUMは、メキシコシティからスタートアップ支援を始め、さらに国内の3つの地域に拡大しています。 )

 こちらの動画は、メキシコ発の大手ソフトウェア企業Wizelineが2018年にメキシコシティとグアダラハラで開催したハッカソンの様子を紹介しています!現地の大手企業とスタートアップの関係やその取り組みをイメージする際の参考になります!ぜひご覧ください!!

本記事でのメキシコのスタートアップ環境に関する説明は以上になります!

いかがだったでしょうか。

RouteX Inc.では引き続きメキシコのスタートアップとの連携を含めた現地調査を行っていきます!
メキシコのスタートアップ環境について、さらに詳しくご興味のある方はお気軽にお問い合わせください!!