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記事一覧 > Slush Helsinki 2018 現地レポート

みなさんはヨーロッパ最大級のスタートアップイベント、Slushをご存知でしょうか?
Slushとは北欧、フィンランドのヘルシンキで毎年開催されている世界的なスタートアップに関するカンファレンスイベントです。

Slushは元々300人程のイベントから始まり、現在では世界中から2万人以上の人を集めるほどのイベントへと成長しました。Slush開催期間中は世界中からたくさんの人が訪れホテルの予約が出来ないほどのイベントです。今回は12月4〜5日に開催された、ヨーロッパ最大級のスタートアップイベントSlushにRouteX Inc.がメディアとして招待を受けたので、現地の様子をお伝えします!!

Slushの盛り上がりは既に空港から始まっています!
空港の荷物受け取りの後にSlushのチケットを受け取る事が出来るブースが出来ているのですが、長蛇の列が出来ています。タクシー乗り場もSlush参加者で列が出来ており、Slush前日の12月3日に空港に到着する外国の方のほとんどがSlush参加者ではないかという程の盛り上がりです!

Slush本イベントの前日にメディア向けにオープンングパーティが開催されました。

メディア限定のオープニングパーティではSlush開催中に注目されるイベントや、スタートアップのピッチ、プロダクトの体験会が行われています。

事前にSlush運営側からイベントの見所を伝えていただける事で取材方法やスケジュールを組みやすくなるので、とてもありがたいですね。パーティでは、オシャレな創作料理とワイン等が無料で振舞われ、各国のジャーナリストと情報交換を行うためのとても良い雰囲気が整っています。こういったメディア関係者のみのパーティー等で世界中のジャーナリストと繋がる事が出来るので、Slush以外のスタートアップ系のビッグカンファレンスでも協力がしやすくなるので、こういったネットワーキングパーティは非常に重要と言えます。

メディア向けのオープニングパーティ以外にも並行して、様々な場所で関係者や参加者向けのオープニングパーティが開催されていました。Slush本イベント前にネットワークを広げておく事が出来ると、イベントで効率の良い周り方が出来ますね!!

Slushが開催されるのは中心部から少し北に位置する、Messukeskus Helsinki, Expo and Convention Centreです。駅前は特に大きな商業施設等があるわけでもなく、Slush期間中以外はそれほど多くの人がいるような雰囲気ではないですが、Slush期間中は会場周辺が人でうめつくされます。

Slushの会場につくと、まずはチケットを受け取る必要があります。

こういったスタートアップ系のイベントでは基本的に共通のチケットという物はなく、参加者のそれぞれの立場によってStartup,Investor,General,Mediaといった様な区分けをされる事が一般的です。
これは会場で参加者同士がネットワーキングをする際に、それぞれ相手の立場を分かった上で話す方が効率がよく、深いネットワーキングが出来ることに関係しています。チケットの値段は基本的にGeneralが一番高く、今回のSlushでは約10万円と非常に高額になっている事から、イベント運営側としては出来るだけStartupとInvestorの人たちに来て欲しい事がよく分かります。ちなみに、今回RouteX Inc.が招待されたメディアパスという物は基本的には全部のイベントに無料で参加が出来、特別な制限エリア等に入れ、取材活動やインタビュー等を行う事が出来るかなり特殊なチケットとなっています。

チケットをもらい会場に進むと、まず目に入るのはとても大きなクロークルームです。2万人の来場者がいる事からも、クロークルームだけでもイベントが出来そうな広さですね。

こちらが会場のMAPになりますが、その広さがよく分かるのではないでしょうか。

ライトのアートが多くあるため、会場は全体的にとても暗く調整されているのですが、その暗さと会場の広さが相まって、会場で自分がどこにいるのかが分からなくなる事がよくあり、他の参加者の人もかなり迷っている様子です。

そのため、会場の至るところにInfoブースが設けられており、現在地やイベントの開催場所を多くの人が確認していました。会場の広さとしては、普通に歩いただけでも1時間以上かかる様な広さなので、様々なイベントやブースに参加しながらだと、2日間あってもとても全てを回り切れない程の広さです。

Slush Helsinki 2018 Opening 

オープニングはラップのライブからスタートです!!

最近のスタートアップ関連のカンファレンスの特徴としてアーティストによるショーを行う事がよくあります。

大歓声のライブショーの後に、

Slush、CEOのAndreas Saari氏とPresidentのAlexander Pihlainen氏のオープニングトークから始まります。

Slushは2万人以上が参加する、ヨーロッパ最大級のスタートアップイベントですが、約3000のスタートアップの参加と2000の投資家の参加がある事から、Slushを通して次のイノベーションを起こす様なスタートアップの成長を助けるエコシステムとしての役割がある事も分かります。そして、Slushが他のスタートアップ系のビッグカンファレンスとの大きな違いが、運営は学生ボランティア主体で行われいている事です。2000人以上のボランティアがこのSlushに関わっており、これはSlushの方針としてこういったイベント運営からスタートアップという世界に触れて欲しいという思いが込められています。なので、会場でStaffシャツを来ている人達は本当に学生らしく、友達と話したり、遊んでいたりもしました笑


そして、北欧でのスタートアップ環境の話や、なぜ北欧が注目されているか等についての話にもうつります。最近だと、スウェーデンの企業であり音楽ストリーミングサービスを提供するSpotifyが最も成功したとも言われています。音楽という親しみのある分野なので、サービスを利用されている方も多いのではないでしょうか。

 そして、2019年からSlush が新しくローンチするサービス

Slush Academyの発表もありました。

これは起業家精神を養うためのSlushの新しい取り組みであり、世界中から募った優秀な学生をヨーロッパの有名VCやスタートアップでインターンシップとメンタリングの経験により、これまで以上に起業家精神を養い、次のイノベーションを起こすスタートアップの源泉を作っていこうという取り組みです。このSlush Academyが始動する事によって、北欧だけでなく、ヨーロッパ全体のスタートアップ・エコシステムにとって、ますますSlushが重要な組織になっていきますね。来年のローンチが楽しみです!!

そして、Slush 代表陣のオープニングトークの後に、

北欧を代表する大企業NOKIA会長のRisto Siilasmaa氏からキーノートスピーチがありました。Risto Siilasmaa氏からは、起業家精神とは? という話に触れ、起業家とはOwnershipを持つ事であり、SlushもこのOwnershipを皆が持っている事からも成功していると語りました。

起業家精神をOwnershipという言葉から責任感や自分事としての意識等、分かりやすく、時には例え話を交えて語ってくれました。

Risto Siilasmaa氏による、Slushのオープニングキーノートが終了したと同時に

Slush Helsinki 2018がスタートしました!!

Slush Helsinki 2018  注目のキーノートスピーチ

ここからは注目のキーノートと企業ブースについてご紹介します。

Slushの会場はとても広く様々な企業やスタートアップのブースとともに、大きなステージでキーノートスピーチが並行して行われています。

キーノートスピーチが行われる会場はいくつもあるのですが、代表的なのが

Founder Stage , Pink Stage , Evergreen Stage、Founder Studioと呼ばれる会場です。

それぞれのステージで、豪華なゲスト陣が様々なトピックについて語ってくれています。

From 50 No’s to IPO:

A Fireside Chat with Eventbrite Founder Julia Hartz

 Founder Stage、最初のキーノートスピーチは世界170ヶ国で使われ、世界で最も利用者の多いイベントチケット販売サイトと言われている、Eventbrite創業者&CEOのJulia Hartz氏です。Eventbriteと言えば、今年2018年9月にIPOをした事でも大きな話題となりました。

海外のスタートアップ関連のイベントに参加する場合には、ほとんどのイベントがEventbriteに登録されているので、利用された事がある方も多いのではないでしょうか。

実際、RouteX Incでもシリコンバレーやその他の地域のスタートアップ・エコシステムの調査に行く際にいつもEventbriteを使っているので、とても親しみがあります。

そんな、IPO後さらに注目を集める様になったEventbrite創業者&CEOのJulia Hartz氏から直接、Eventbriteの創業秘話等を聞けるのはとても貴重な機会ですね!!
2006年の創業当時はイベントを一括して登録する様なサービスがなく、そういったサービスが必要と考えた所からEventbriteを始めたという事です。10年以上も前に今では当たり前となったイベントチケット販売サイトを作ったんですね。日本ではPeatixの方が広く使われていますよね。Julia Hartz氏は企業経営において大事な事について、「好奇心」と「共感」という言葉を多用して説明されていました。また、IPOにあたって自社のミッションや世界に広げていくビジネスとはについて、再度自社内で調整した事等を語ってくれました。

女性起業家であり、スタートアップからIPOまで成し遂げたJulia Hartz氏の話はどれも感情のこもった経験に基づいた話で、観客のみなさんも話のそれぞれにすごく納得しているようでした。

Building Software That People Love:

Lessons from Cal Henderson, Slack’s Co-founder & CTO

Slack共同創業者でCTOのCal Henderson氏からは人々が好むプロダクトをどのように作るかについて語られました。Slackはチームでのタスクを円滑にするためのビジネスツールとして世界中で利用されており、実際に仕事で利用されている人も多いのではないでしょうか。

Cal Henderson氏はユーザーは満足した場合にフィードバックをする事は少ないが、使いにくさや何か怒った時にはTwitter等に文句を書く人が多い。そのため、Twitter等でフィードバックをトラッキングしているとユーザーの求めている事や不便な部分が見えてくるので、改善する事が出来ると教えてくれます。Twitterは匿名性が高く、一見すると荒れてしまう事が多いですが、この様にプロダクトの開発者からすると実際の不満を率直に書く事が出来るTwitterはユーザーの満足度を測り、フィードバックから改善させる事が出来るリサーチツールとしても使う事が出来るんですね! Twitterはマネタイズやビジネスモデルに苦戦している事でも有名ですが、この様な使い方等で何か派生があればおもしろいかもしれませんね!!

確かにSlackはこれまでの様々なビジネスツールのまさに痒いところに手が届く様な使い方を出来るのは、この様に細かなユーザーのフィードバックをプロダクト開発に活かしていたからかもしれません。また、What’s up、Messenger 等数多くあるメッセージサービスの中でのSlackの存在意義はチームコミュニケーションによるワークプレイスとしての場に特化する事だとも明言しています。確かに個人に対してメッセージを送るためにSlackを使う目的は全くない、もしくは不便ですがチームコミュニケーショでは他のサービスを圧倒する便利さがありますよね! 特に過去のトークのトレーサビリティの高さは仕事をしていく上で非常に重要なのではないでしょうか。

会場には Slackもブース出展していますが、日頃から利用している人も多く、直接話を聞きたいという事から、常に人だかりが出来ていました。

Slackは様々なカスタマイズをユーザーの好みに合わせて出来る事等、かなりユーザー目線で作られているのが分かりますが、今回のSlack CTOのCal Henderson氏の話を聞いてさらにそれが実感させられました。

Mobility –The Fundamental Reshape of Transporting

特徴的なステージのEvergreen Stageでは交通手段の再設計というテーマでトークセッションが繰り広げられました。
スピーカーは

世界的なスタートアップ系のテックメディア

TechCrunch Sinior reporter Megan Rose Dickey氏

北欧が誇る自動車会社
CEO at Volvo Car Mobility Bodil Ericson氏

シリコンバレーでUberと肩を並べるライドシェア企業

Chief Strategy Officer at  Lyft Rajil Karpoor氏

の豪華なスピーカー陣です。

TechCrunchやVolvoはみなさん知っているかもしれませんが、Lyftについてはみなさん知っていますでしょうか?  
LyftはシリコンバレーではUberと肩を並べる程のライドシェアの企業で、実際にサンフランシスコやシリコンバレーに訪れた際はUberとLyftを同時に起動して、価格の安い方を呼ぶ事が一般的でもあります。ハードとして車を扱う企業、ソフトとして車を扱う企業のトップリーダー同士のモビリティの将来に対する会話は一体どんなものなのでしょうか?

主に話された内容は車を取り巻く現状と、将来の比較であり、そこから出る交通手段の新しい形をディスカッションされています。人口が増え続ける中で、土地が増えるわけではないので、ライドシェアの様に交通手段を共同で利用する必要性はますます増してくることや、動画や音楽の利用方法が定額利用等に変わりつつある様に、車の使い方のサービスも必要に合わせて変わりつつある事も述べられています。

実際、 UberやLyftもサブスクリプションモデルのビジネスプランも徐々に取り入れ出しているので、このように高頻度で利用するユーザーに向けた新しいプランも今度どんどん出てくる可能性が高いと言えますね。そういった、ユーザーに適した様々なプランを用意する事により、より多くの人がライドシェアに参加し、さらに価格も下げることが出来るのでより経済的でもあると言えます。

そして、自動車のトピックで今一番注目されている自動運転についても言及されています。

Volvoも自動運転車の開発をしていますが、CEOのBodil Ericson氏からは自動運転技術は可能な物であり、実現できるものだか、実現した後にどのように活用していくのかも重要という議論も投げかけられました。

自動車業界はこれまで長らく大きな技術確信による変革はなかったと言えますが、ライドシェアや自動運転などで、自動車を取り巻く環境が急激に変化を始めているので、そのようなテクノロジーで変わる生活についても意識していく必要があるかもしれませんね!

Q&A with Bill Ready, COO of Paypal

みなさんもPaypalを利用した事がある方は多いのではないでしょうか?
決済サービスとして急成長を遂げたPaypalですが、実はPaypalはスタートアップの世界に大きな変革をもたらした事でも有名です。それはPaypalマフィアと呼ばれる、Paypalの初期に関わっていた人たちがシリコンバレーを拠点に世界を変える様なスタートアップを作り、その成功した資金を元にさらに多くのスタートアップを成長させた事から名前の由来が来ています。Paypalマフィアの代表例としてはFacebookの初期にエンジェル投資家として投資したピーター・ティールやTeslaのイーロン・マスク、Linkedinのレイド・ホフマン等の世界的な起業家が名を連ねています。このような現在のスタートアップの成長が注目される様になった土台を作ったとも言える、Paypalマフィア達が巣立ったPaypalでCOOを務めるBill Ready氏は現在のPaypalをどう捉えているのでしょうか?

やはり、注目はブロックチェーン技術の進歩による仮想通貨の将来について言及されています。 仮想通貨が広がる事によって世界中の決済システムは大きな変革を迎えるかもしれませんよね。これまでは通貨の為替レートの違いや両替、またPaypalのように決済仲介業者を通す等、様々な場面でお金の移動や変更には手数料が発生していました。しかし、仮想通貨によってそういった既存のマネタイズ方法が崩壊する可能性もあり、Paypalも既存のビジネスモデルだけでは生き残って行くことが出来ないかもしれません。また、Wechat PayやAlipay等の中国の決済仲介サービスが世界を席巻していく中で、今後Paypalはどのように変化していくのかについても議論が広がりました。

この、Founder Studioで行われる会場とのディスカッションはSli.doというサービスを利用する事により、会場の意見をリアルタイムに反映しながらディスカッションが進められるので、非常にインタラクティブに世界的な企業のトップリーダー達にSli.doを通して直接質問出来るのは非常に貴重な経験ですね!

Fireside Chat with Amazon CTO Dr.Werner Vogels

 単独でのキーノートスピーチのラストを飾ったのは、Amazon CTOのDr.Werner Vogels氏です。Amazonはジェフベゾスの信念の元、世界的なECサイトとなりました。最近ではAmazon Web Service 、AWSという形でクラウドサービスを提供しており、そちらの分野でも他の企業を圧倒する様な成長を遂げています。Dr.Werner Vogels氏はAmazonのCTOという事もあり、テクノジー系の話題を中心に話は繰り広げられました。特にブロックチェーンや仮想通貨、AWSの今後、Alexsaの進化等のAmazonのテクノロジー企業としての成長についての話は最も関心が高い話題ではないでしょうか。Amazonは今後さらにテクノロジー企業として成長していくためにエンジニア採用を積極的に行なっている、Amazonに入りたければ誰に連絡するか分かるよね?というジョークと共にキーノートスピーチを颯爽と終えられました。

テック界の巨人たちも注目する、北欧スタートアップ

Slushの会場には普段から利用している大手IT企業のスタートアップに関連したチームのブースも数多く出展しています。

例えば、Googleのスタートアップ支援プロジェクトである、Google for Startupsはスタートアップ向けの無料コワーキングスペース Google Campusを運営している事からも知っている人は多いかもしれませんね! 

Google for Startupsではスタートアップが成長していくための様々なリソースを提供する事によって、スタートアップの成長を促しています。Google Campusの様に世界中の一等地に無料でスタートアップ向けのコワーキングスペースを運営出来るのもGoogle程の企業規模があるからと言えます。

FacebookはSpark ARという最近ローンチした、ARを開発するためのプラットフォームのブースを出しています。Facebookはスタートアップ向けにFbStartやDeveloper Circleといったプログラムを既に始動していますが、Spark ARはまだ開発者の少ない AR分野においてスタートアップに利用者を増やして欲しいという狙いがあるのではと考えています。

まだまだ、VR/ARの開発が出来るエンジニアは少ないのが現状ですが、FacebookはOculusやSpark AR等の開発するためのツールを持っているので、多くのエンジニアがFacebookのプラットフォーム上で開発を進めてくれる事にはとても大きなメリットがあると言えます。

このように自社の特定のプロダクトのブースを置く企業もあります。

Facebook Developer Circleについてはこちら

さらに、Microsoftもスタートアップ支援のチームのブースを出展しています。

Microsoftにスタートアップ支援のチームがあった事を知っていた人は少ないのではないでしょうか? Microsoftも潤沢な資金と自社が抱える多様なソフトウェアとの連携でスタートアップの成長を強く支援しています。

この様なアメリカのテック系の大企業がこの様なスタートアップが多く集まるイベントに出展する理由としては、早期に優秀なスタートアップと繋がる事で自社のクライアントや投資先としての関係構築が出来る可能性が高いからだと言われています。

そのため、どのブースでもスタートアップ向けのトークイベントが開催されていました。

国の威信をかけたスタートアップ支援

ブースを出展しているのはスタートアップや大企業だけでなく、国も威信をかけてそれぞれの国のスタートアップを支援するためにブースを出しています。

日本は経済産業省が推進する、J-Startupやロシア政府が進めるイノベーションキャンパス、スコルコボ等も出展しています。特に人気なのは第二のシリコンバレーとも呼ばれるイスラエルです。イスラエルはサイバーセキュリティ系のスタートアップの勢いもすごいので今後が楽しみです!

 そういった様々な国が威信をかけて自国のスタートアップのサポートをしていますが、やはり特に注目が集まっていたのはフランス政府が推し進めるFrench Techです。French Techとは

フランス政府が自国のスタートアップをFrench Techという一つのブランドによって囲む事によって、世界中にブランディングとマーケティングをしやすくした、成功例です。

実際に様々なカンファレンスでこのFrench Techのロゴである、赤い鶏が展示される様になっており、参加者の人もこのロゴを見るとすぐにFrench Techと分かるようになってきています。フランス政府のように自国のスタートアップをこのようにブランドとして囲い込み、他国にブランディングしていく方法はさすがフランスと言えますね。

他にも、フィンランドを代表する航空会社FINNAIRもブースを出展しています。

FINNAIRのブースではキャビンアテンダントに扮したスタッフが来場者にVRの解説をしています。VRの様に利用者にサービスの疑似体験を可能にさせるデバイスは今後ますます様々な業態で利用が広がりそうですね。日本ではVRはゲームのイメージがまだまだ強いですが、世界中でVRを使った具体的なユーザーエクスペリエンスの転換点が来ているように感じます

 高級車で有名なポルシェもかなり大きなブースを出展しています。このようにテクノロジー系の企業ではなく、既に既存の事業で大きく利益をあげている企業もブースを出展している事もSlushの特徴と言えます。他の大きなスタートアップ関連のカンファレンス等ではあまりこのような大企業がブースを出展している事は少ないですが、北欧を中心としたスタートアップのテクノロジーとの連携に可能性を感じているのかもしれませんね!

 実際に会場には車の実機の展示もされています。ライドシェアや自動運転等のテクノロジーが進む中で、これまで大きな技術変革がなかった自動車業界は大きな転換点に差し掛かっているとも言え、これまで以上に車に注目が集まっているとも言えるかもしれませんね。

特に右の写真はNIOという中国の電気自動車メーカーでTeslaのライバルになるとも言われています。

このNIOもAIを搭載した自動運転車の開発を行なっており、そのコンセプトムービーが非常に美しいことでも話題です。こちらがそのNIOの自動運転のコンセプトカーEVEです。

 PwCの様なグローバルコンサルティングファームもブースを出展しています。

この様なグローバルコンサルティングファームも最近はスタートアップへの関心が高く、スタートアップの初期から関わる事により、成長した際にクライアントとなる可能性が高くスタートアップに注目していると言われています。実際に世界中にあるこの様なグローバルコンサルティングファームが現地のスタートアップエコシステムの調査レポートを発表していたり等、かなり活動を活発にしています。

 この様にさまざまな大企業からの熱視線を集める様になったスタートアップ界隈ですが、Slushの会場ではそういったスタートアップがピッチを行う事が出来るブースも用意されています。こちらのSHOWCASE STUDIOではスタートアップの方々が、それぞれの取り組みをテクノロジー分野によって分けられており、ピッチを行う事が出来る様になっています。その事によって、特定の分野に興味のある VCや大企業の担当者に自社のプロダクトを伝える事が出来る場となっています。ここから様々な提携が生まれていく可能性が非常に高い場と言う事が出来ますね!

 こちらのライトが綺麗な通路の両側には個別ミーティングが出来るブースが用意されています。先ほどのSHOWCASE STUDIOでのスタートアップのピッチや、それ以外にも提携やビジネスを一緒に進めようと人たちがすぐに個別ミーティングに移る事が出来るのは非常に便利ですよね!こういったスタートアップ関連でのビッグカンファレンスでは、この様なミーティングブースが通常用意されています。成長可能性の高いスタートアップを見つけると、すぐに投資や提携等のスピードのある動きが必要と言えますね。こういったスピード感についていけるかどうかも日本の大きな課題とも言われています。

 Slushのとても広い会場で歩き疲れた方のために休憩ブースも用意されています。

しっかりここで仮眠を取られている方もいました笑
また、昼食等が取れるブースでは様々なレストランが出展しており、世界中の食事を楽しむ事が出来ます。

さらにもっとリラックスしたい方のためになんと、屋外にサウナとお風呂まで用意されています。ビジネス交渉で疲れた後はお風呂に浸かってリラックスという事でしょうか笑 

こちらのお風呂もサウナも非常に人気で大盛況となっておりました。 

また、Slushの会場限定のグッズが販売されているブースもあります。

ここでしか買えないSlushグッズという事もあって、たくさんの人がシャツや帽子、パーカーを買い求められています! 値段も比較的良心的な価格となっております。

 こちらはMEDIA PASSを持った人だけが入れる制限エリアとなっています。

このMEDIA AREAでは世界中のテック系ジャーナリストの人たちが、最新の情報のアウトプットやインタビュー、情報交換等を行なっています。

今回、RouteX Inc.もメディアとしてSlushに招待をいただいたので、こちらのMEDIA AREAで世界中のジャーナリストと一緒に情報のアウトプットを行なっていました!

ここから世界を変える
Slush 100 Pitching Competition

Slush全体のイベントの最後を飾るのは、スタートアップカンファレンスらしくスタートアップのピッチコンペティションです!!

Slush 100 Pitching Competitionとは、数多くの事前選考を通過したアーリーステージの3社が数千人の前でピッチを行い優勝者を決定します。

このSlush 100 Pitching Competitionは世界中の投資家やメディア、潜在的なパートナー等が注目している事もあり、優勝する事で一気にスタートアップが成長していくチャンスが眠っています。実際にこういったスタートアップのピッチコンペティションで優勝したスタートアップがその後急成長を遂げた例は数えきれなくあるので、どのスタートアップの代表も自社の命運をかけてピッチに挑みます!
それでは最終選考に残った3社をご紹介いたします!!

ドローンによる効率的な業務支援を行う

AERONES

AERONESではこれまで人が行なっていた超高所作業をドローンが代行する事によって安全で効率的な業務遂行を可能にするソリューションを提供するスタートアップです。

例えば、高層ビルの清掃や火事、風力発電機等の清掃にこのAERONESのドローンが活かされます。このAERONESのドローンの強みはパワフルなドローンと、業務用に特化したドローン開発で培った技術が挙げられます。

 こちらの動画を見ていただくと、かなり大型のドローンですが安定した飛行によって高所作業を可能にしている事がよく分かります。

審査員のVC等からは、様々な厳しい質問が飛び交いましたが、AERONESのドローンの技術力に自信がある事が伝わる堂々とした返答をされていました。

AIにより最適化されたWiFiネットワークを提供

Lifemote

 みなさんは家のWifiがつながりにくかったり、調子が悪くてイライラした経験はありませんか? そういった家のWiFiのネットワークの不具合をAIで自動で検知し、修正するプロダクト開発をLifemoteは行なっています。

Lifemoteは独自のAIの技術により、WiFiの不具合を発見し、自動でメンテナンスを行う事によって高速インターネットの継続の実現を目標にしています。

Lifemoteの技術が広がれば、様々な地域のWiFiによるネット速度の低下の問題を解決する事が出来るかもしれませんね。特に発展途上地域のインフラがまだ未整備の地域では、さらに効率よくこのサービスが機能するのではないかと思います。

Lifemoteは現在ヨーロッパを中心に拡大する計画を立てていますが、アメリカからの審査員からはすぐにアメリカにも広げて欲しいという声もあがりました。

インターネットがなくてはならない現在は高速で途切れる事のないインターネット環境の構築がとても重要とも言え、こういったAIの活用方法もおもしろいですね!!

 機械学習の開発支援を行う

Meeshkan

現在最も多く議論されているテクノロジー分野のひとつが機械学習ではないでしょうか。

その最先端のテクノロジーの開発のために日々エンジニアの人たちが開発に明け暮れていますが、膨大な情報量の処理や様々なテストのために、費用や時間というコストが多くかかってしまうという現状があります。こういった機械学習に関わる様々なコストの低減を目指し、Meeshkanは機械学習開発の支援を行うプロダクト開発を行なっています。

機械学習の開発を行う際に必要となる、プロセスのモニタリングやテスト、アルゴリズムの検証等を行なってくれるサービスとなっています。

機械学習の開発がこれまで以上に活発になっていく事が予想される中でMeeshkanの様な開発支援ツールはそのマーケットの勢いとともに成長する可能性も高いですよね!

そして、このSlush 100 Pitching Competitionの長い戦いを勝ち抜いて優勝したのは、

機械学習の開発支援を行うMeeshkanです!!
どのスタートアップも具体的に解決する課題が明確でしたが、Meeshkanはこれからのマーケットの成長と共に、急成長する可能性を秘めているのでとてもたのしみですね!
このSlush 100 Pitching Competitionに優勝した事によって世界中にMeeshkanの名前が広がったので、今後のMeeshkanの成長から目が離せません!!!

このSlush 100 Pitching Competitionをもって、Slush 本イベントは終了です!

そして、本イベント終了後はSlushの名物とも言えるAfter Partyが22時から3時まで開催されます!! メイン会場にはパーカーに着替えようと大きく掲げられています。

After Partyでは会場全体がナイトクラブに早変わりし、有名アーティストによるライブパフォーマンスが朝方まで行われます。

この2日間のSlushイベントの疲れを、参加したチームで祝う人や踊り狂う人、様々な形でみなさん楽しまれています笑

それぞれの会場ごとにライブミュージックやDJ等、テーマに合わせたアーティストがパフォーマンスをしてくれていますが、なぜかドラァグクイーンと一緒にカラオケを歌うコーナーも用意されています笑

この様にSlushの本イベント後はAfter Partyで朝まで盛り上がり、世界的なスタートアップカンファレンスSlushの全イベントが終了となりました。

Slushの様子はいかがだったでしょうか?
北欧フィンランドのヘルシンキを中心に、ここまでの世界的なムーブメントを起こしたSlushですが、北欧のスタートアップに対して世界中の熱視線が集まっている事も同時に伝わったのではないでしょうか。Slushの様な世界的なスタートアップカンファレンスが世界中で開催されていますが、それだけスタートアップが次のイノベーションを起こしていく源泉力として重要視されているという事が分かりますね!

RouteX Inc.ではこのような世界的なスタートアップのカンファレンスに常に情報のキャッチアップのために参加しています。お一人や企業の調査として単独で行くのは心配というご要望があれが、この様な世界中のスタートアップカンファレンスの現地アテンドも行いますので、お気軽にお問い合わせの方からご連絡ください!

みなさんのご要望に合わせて、世界中のスタートアップ系のカンファレンスから選定をしてご提案いたします !!

RouteX Inc.では、引き続きフィンランドのスタートアップとの連携を含めた現地調査を行っていきます!また、各国のスタートアップ環境についてもっと詳しく知りたい方もお気軽にお問い合わせください。海外のスタートアップとの連携やイノベーション拠点の調査依頼、海外アテンド依頼等も承ります。