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(ロシア最大のイノベーションカンファレンス「Open Innovations Forum 2018」の会場となっっているスコルコボ・テクノパークの写真。2018年10月に撮影。)

みなさんはロシアのスコルコボ(Skolkovo)という地名を聞いたことがあるでしょうか?

実はスコルコボ(Skolkovo)は「ロシア版シリコンバレー」ともいわれるほどに、ロシアのイノベーションの拠点として最重要視されている場所です。

今回は実際にロシアのイノベーションにおける最重要拠点「スコルコボ」に現地調査に行ってきたので、現地の様子をお伝えします!!

スコルコボ(Skolkovo)の場所

Image Credit: Google Map

スコルコボ(Skolkovo)は、ロシアの首都モスクワの西部に位置する自然豊かな地域です。

モスクワ中心部から車で40分程で到着出来るのでアクセスも良いと言えます。

スコルコボは元々、自然豊かな地域でしたが、ロシアや世界のさらなる発展のためにイノベーションを起こす必要性から、ロシア政府がイノベーションを創出するためのエコシステムを都市として形成するという目的のために計画が進められました。

2010年当時大統領であったメドベージェフ氏が

「スコルコボ・イノベーション・センターについて(On the Skolkovo Innovation Center)」という法律を承認したことをきっかけに開発が本格的に進められることになりました。

スコルコボを運営するスコルコボ基金(Skolkovo Foundaiton)では、新しい事業と雇用が生み出され、才能のある人々が集まる持続的なイノベーション・エコシステムをつくることが目標とされており、特に次の5つの研究分野が重視されています。

Image Credit : Skolkovo

ロシアと言えば、政府による圧力やネット規制等を思い浮かべる人も多いかもしれません。

実際に、ロシア国内では日本で人気のLineは規制されており使う事が出来ず、それ以外のGoogleやFacebook等についても規制の動きがあります。

中国も同様にネット規制や検閲を強めることによって、反政府的な動きの監視や海外のビジネスモデルが流入しないようにしていると言われています。

しかし、このようなネット規制は国内のスタートアップを活性化するために良い面もあり、例えば中国国内でGoogle等が使えないことにより、中国版GoogleのBaidu等が大きく発展しました。

ロシアのスタートアップ環境も似たような側面があり、ロシア版GoogleのYandexやロシア版FacebookのVKontakte等が国内のシェアを最も獲得している状況です。

このような閉鎖的な政府主導の動きで実際にイノベーションを起こす事が出来るのでしょうか?

そういったイメージや現実とは反対にここ「スコルコボ」では世界中の優秀な人を招致し学び合う事が出来るような計画で進められています。実際にMIT等のアメリカの一流大学とも提携を進め、イノベーションを起こすための協力関係を世界と築いています。

都市としてのスコルコボ

(Moscow School of Manegement Skolkovo)

スコルコボの開発はイノベーションを創出するための施設運営ではなく、都市そのものを計画的に作り、イノベーションを起こすためのエコシステムを人工的に形成しようとするものです。

これは自然発生的にイノベーションを起こすためのスタートアップのエコシステムが形成されたシリコンバレーを人工的に作ろうとする動きでもあります。

シリコンバレーのエコシステムではスタンフォード大学が人材やイノベーションを起こすためのシーズを提供する研究機関として重要な位置を占めています。

 (スコルコボ内に位置する研究機関 Mendeleev Quarter) 

スコルコボも同様に教育機関や研究機関を設置し、その周辺にスタートアップや投資家、政府と連携しやすい仕組み作りを行っています。

また、スコルコボではYandexの自動運転車の実証実験等も行われており、イノベーションを起こすためのリスクの許容も都市として行えるようになっています。

スコルコボの中心、スコルコボ テクノパーク

都市としてのスコルコボのイノベーションを起こすための中心的役割を果たすのが、こちらのスコルコボ テクノパークです。

スコルコボでは、開発途上の現在でも、すでに1800以上のスタートアップが拠点を設けており、さらに合計29億ルーブル(約50億円,2018年10月時点)のベンチャー投資がスコルコボに拠点を置くスタートアップに集まっています。

スコルコボ テクノパークではスタートアップのプロダクトを展示するブースやワークプレイス、さらには大きなカンファレンスが行えるイベントスペース等が用意されています。

実際に今回の調査はこのスコルコボ テクノパークで開催されたロシアにおいて最も大きなイノベーション関連のイベント「Open Innovations Forum 」に参加した際に行いました。

「Open Innovations Forum」では世界中の著名な研究者や経営者、スタートアップが一同に介し、イノベーションを創出するためには今後どうするべきかについてディスカッションをする場となっています。また、参加者同士でビジネスマッチングが出来るような仕組み作りもされており、圧倒的な規模とスピードでスコルコボを中心としたイノベーションが世界に広がっていく将来を感じさせます。

 「Open Innovations Forum」では元ロシア大統領であり、このスコルコボ計画を主導したメドベージェフ首相もスコルコボに訪れ、イノベーションの創出について世界のトップリーダーと一緒に議論を行っています。このような事からも、ロシア政府がどれだけ本気でスコルコボを中心にイノベーションを創出する都市を作ろうとしているかが分かりますね!

スコルコボの将来

 ご説明させていただいた通り、スコルコボはロシア政府が主導してイノベーションを創出するためのエコシステムを抱えた都市を一から作ろうという壮大な計画です

これまでご紹介させていただいた通り既にスコルコボには研究や教育機関、ワークプレイス、大きなカンファレンスを行える会場等、既に完成している様に見えるかもしれません。

しかし、スコルコボの中心スコルコボ テクノパークでさえ一歩外に出るとまだまだ開発途中であることがよく分かります。実際にスコルコボの都市計画は開始から8年たった今でも、開発が到るところで進んでおり、散策するとすぐに開発中の建物を見ることが出来ます。

 現在、スコルコボには多くの研究者やスタートアップの人達が働いていますが、実際モスクワの都市部と比べると交通の便が悪い事や、それ以外の都市機能が無いことがよく分かります。しかし、これから地下鉄をスコルコボまで延長する計画や開発ラッシュから、将来スコルコボはモスクワ中心部と比べても遜色のない大都市になる可能性を感じさせます。

 元々、モスクワのビジネス街であるモスクワシティも計画的に作られた地域であり、実際にモスクワに訪れるとモスクワシティが突然ロシアの町並みの中に現れることを実感出来るかと思います。そのようにロシアの計画的な都市計画はスピードと実行力も持って進められることから、スコルコボが将来的にシリコンバレーの様な世界的に重要なイノベーションの創出拠点になる日が遠くない事を実感させてくれます。

今後のスコルコボの発展がとても楽しみですね!!

 アメリカの様に資本主義で、市場経済の中での競争から生まれるイノベーションとロシアの様に政府主導の社会主義的な要素を持ちつつ起こすイノベーション。どちらもそれぞれの特徴があり、とてもおもしろいですね!
実際にロシア出身の起業家は既に世界中におり、大きなネットワークを持っているので、国内で生まれたスタートアップを世界でスケールさせるための土壌も持っていると言えるかもしれません。ロシアの今後のスタートアップから目が離せませんね!

 RouteX Inc.では、引き続きロシアのスタートアップとの連携を含めた現地調査を行っていきます。ロシアのスタートアップ環境についてもっと詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

また、ロシア以外のスタートアップとの連携や海外のイノベーション拠点の調査依頼、海外アテンド依頼等もお気軽にお問い合わせください!

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